イベント会場にはいろいろあると思いますが、今回は商業施設でのイベントの特色について解説したいと思います。商業施設は商業施設で独自のノウハウがあるので、経験がないと戸惑うかもしれません。

これから商業施設でイベントをするという方は現場に入る前に是非一度ご覧ください。
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ショッピングセンターとは

そもそもですが、商業施設の代表であるショッピングセンターとはどのようなところかご存知でしょうか?区分の考え方は小売流通業界の通例ですが、総合的な巨大施設のことを指します。専門店がたくさん入っている大型施設で一般的にはショッピングモールとも言います。実際の店舗でいうとイオンモールやららぽーとがこれにあたります。

ついでにご紹介しますと、GMSという表現もあるのですが、こちらは専門店がついていないイトーヨーカドーや西友などがあたります。さらにさらにで言いますと、百貨店はDpt、コンビニはCVS、ホームセンターはHCと言います。この業界に関わる方はこのような略語がしれっと出てきますので深く関わることがある方は是非覚えておきましょう。

今回の記事ではざっくりとDpt、SC、GMS、HCをまとめて商業施設と呼びたいと思います。



商業施設におけるイベントの特徴

まず、商業施設で行うイベントにはいろいろなパターンがあります。
  • 自社として行うイベント
  • テナントとして行うイベント
  • 外部から乗り込みで行うイベント
の主に3つです。

テナントとして行うイベントの経験はありませんが、これも自社として行うイベントの延長線上にあり、季節のプッシュしたい商品を紹介する展示的なイベントが多くなると思いますので自分たちでやってしまうところがほとんど。イベント屋としては、自社としてと乗り込みのケースが多いと思います。


イベント開催回数が多い

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イベントを一番多く行っているのはイベント屋ではなく商業施設ではないかと思います。なにせほぼ毎週末何かしらのイベントを行っています。そして帯で平日に開催していることもあれば、複数の会場で同時にイベントもやっている。GWや夏休み、年末年始もイベントをやっています。イベント屋でもここまでの本数はやらないんじゃないでしょうか。イベントやりたい学生さんはこんな道もあったりしますので志望先の候補に入れてみてもいいかもしれません。

商業施設のイベントをやり慣れている方はものすごく経験が豊富です。イベントの専門家として自信満々に乗り込んでいくと、相手の方がイベントに詳しかったりします。乗り込みでイベントを行う方はよく会場の方や現場のスタッフ陣のアドバイスをよく聞くことをオススメします。

またたくさんのイベントを行っているがため、慢性的なネタ不足に悩まされているとも聞きます。


テナントさんとの関係が複雑

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こちらはSCの会場の場合ですが、イベント会場の周辺にたくさんのテナントさんが入っています。イベントを行う際はそのテナントさんのことを考えた展開を図らないといけません。SCにとってテナントは大家と店子の関係です。テナントさんも家賃を払ってくれるお客さんにあたります。テナントさんの営業を妨げないように注意して下さい。

特にSCイベントはSCにとっても一等地のセンターコートで行われることが多いです。必然的にその周辺は人気店舗になっていることが多いです。売上が高いテナント=発言力の強いテナントになりますので、イベントをする際にも十分なケアが必要です。

具体的なトラブル事例としては
  • イベントの音がうるさい
  • 行列が店の前に来て邪魔
  • PR商品のバッティング
などです。上の2つは解説の必要はないですよね。最後のPR商品のバッティングについてはプロモーションなどを行う場合は店舗の売上に影響が出ないようにしなければいけません。例えば飲料や化粧品などを無料配布してしまうとテナントの売上が減ってしまうことが懸念されます。どんな些細なことでも影響が出る場合がありますので、プロモーションの方法はしっかりと会場担当者に確認しましょう。


関係者口が分かりづらい

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商業施設では一般のお客さんとは別の入口を設けています。そしてそれは目立たないところに用意されています。スタッフが会場入りする際も集合場所の確認は念入りに行いましょう。またその際に時間によっては通れない導線があったりもしますので、この時間ここから入れるかなどの確認も行いましょう。

また関係者口にはセキュリティの観点から必ず受付があります。イベント関係者として名前を書いたり、身分証を提示したり、パスをもらったりと手続きがありますので、少し早めに会場入りすることをオススメします。またその説明もややこしいので、できるだけスタッフはまとまって行動した方が良いでしょう。

その商業施設のいちスタッフとして入館するので独特のルールに合わせる必要があります。今まで一番しっかりしてるなと感じた会場は、家電系の商業施設なんですが、持ち込み物か盗難か判別するために持ち込む家電製品を全部リストとして書き出したりしました。携帯と携帯の電池パックの品番まで控えています。またそこのスタッフとして見られるので、スタッフ研修も行いました。茶髪NG、ピアスの穴も跡があるだけでNGという厳しい会場さんでした。。

会場備品の状態が万全ではない場合がある

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商業施設のイベント会場では汎用性のある設備をあらかじめ用意しています。乗り込みのスタッフもこの設備を使わせてもらえるのですが、これはたくさんイベントを行っているがゆえにメンテナンスしきれておらずあるけど使えないなんてケースもあったりします。ロケハンを行う場合は備品リストだけで確認せず、ちゃんとものを見て状態確認まで行いましょう。また設備自体もクセのあるセッティングになっている場合があります。セッティングの仕方も一筋縄ではいかないものもあったりしますので注意しましょう。

逆にその分、こんな備品ありませんか?と聞いたら意外と持っている場合もあります。彼らのイベント経験の豊富さは伊達じゃありません。備品で困ったらまずは率直に会場の方に相談してみましょう。

裏導線が複雑

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施設が大きい分、慣れないとすごく迷います。会場によってはA棟、B棟と分かれていたり、坂があってフロアの表示が変だったり、増設を繰り返していることで変なところを通ったりとすごく複雑です。

関係者口から控室、控室からセンターコートという道も全てバックヤードの裏導線を通っていきます。裏導線には案内図などもありませんので、これは頑張って覚えるしかありません。暗いバックヤード、カゴ台車の山で分かりづらさ満点ではありますが、よく見えて覚えながら移動しましょう。道を覚えようとキョロキョロしたり、関係ないところをフラフラしたり、目印になるようなところの写真を撮ったりすると不審者と思われますのでご注意下さい。

控室が快適ではない

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基本的にイベントを前提に作られていないので、控室は、少ない、狭い、遠い、快適でないなどいろいろな諸事情の犠牲になっています。イベントのスタッフ控室というものがそもそも存在していないケースすらあります。その商業施設の会議室だったり、倉庫の一角を区切っていたり様々です。タレントさんが入るケースでもそこを使うこともあったり、逆に応接室をお借りしたりする場合があります。

過去の記事でもその辺のところまとめていますので、参考にしてみてください。
【制作】みんなが納得 控室振り分けのコツを伝授します①



という感じでまとめてみましたがいかがでしょうか。だいたい共通する点をまとめていますが、本当に施設によって独自のローカルルールがたくさんあります。会場担当者の言うことをよく聞き、ルールに合わせた運営を行いましょう!