MC付きディレクターを任された時にするべきことの最終章です。今回はリハーサルから本番時のお仕事を説明したいと思います。やっと本番時の業務にたどり着きましたね。
【進行】MC付きディレクターの使命とは -台本チェックのポイント-
【進行】MC付きディレクターの使命とは -出会いからリハまで-
と、今回の記事を読めば、MC付きとしてやるべきことがだいたい分かると思います。
進行ディレクターの業務はあまり人に聞くことができないですよね。そんな状態でいきなり現場に行かされると怖いですよね。そんな経験の浅いあなたはまずこの記事を読んで予備知識を身につけてから現場に望みましょう!
テクリハなので、MCさんがまだ入っていない設定です。その前に確認すべきことがたくさんあるのです。テクリハにMCさんが加わってくれる場合は、その前にできるだけ下記のことを行っておきましょう。
1.位置関係の確認
厳密に言えばテクリハ前にチェックしておきたいことではありますが、MCの立場になって会場に行き、それぞれの位置関係が図面と同じかどうかを確認しましょう。思ったり狭い、思ったより近い、思ったより遠いなどの所感をMCさんに伝えられるようにしましょう。
具体的には以下のポイントです。
2.MC関係備品の用意
MCが使う備品にはたくさんのものがあります。MCが実際に入る前に完璧に用意しておきましょう。
リハーサルや本番が始まってから慌てて用意しては時すでに遅しです。アレどこ行った?と聞かれる前に必ず用意しておきましょう。
具体的には以下のポイントです。
3.台本の仮読み
MCが入っていないテクリハではMC付きディレクターがMCの代わりを行うことがよくあります。その際にちゃんと読めるようにしておきましょう。
以前の記事の台本のチェックがここで生きてきます。台本チェックの確認が甘い進行ディレクターが仮読みを行い、クライアント名を読み間違って気まずい空気になっているのは定番ではありますが、正直みっともないです。ちゃんと声に出して読めるようにしておきましょう。
また仮読みをしていると、こうした方がいいという指摘が入る場合があります。原稿の修正連絡はMC付きディレクターの最も重要な仕事の一つ。一言一句間違えずにメモして必ずMCに伝えましょう。
4.きっかけチェック
台本通りにテクニカルリハーサルを行っていると違和感を感じる部分が必ず出てきます。リハーサル中にきっかけが変わることがよくあるので、これも必ずメモしてMCに伝えましょう。
感覚の部分は実際にリハーサルをしてみないと分からないと思いますが、その時の感じが先に伝わっているかどうかでMCさんの負担は随分変わるはずです。また先にMCに伝えることで貴重なリハーサル時間も短縮できたりします。
MCに関連するきっかけには具体的には以下の様なものがあります。覚えておきましょう。
以上、テクニカルリハーサルでMC付きディレクターが行うべき業務をまとめてみました。
確認するポイントが多いですよね。なので、事前の台本チェックが非常に重要になるのです。そうしないと時間が足りないですよね。本番のイメージがしやすい参考書として進行台本があるのです。
1.カゲアナウンスきっかけ出し
進行台本にはカゲアナウンスのタイミングは、よく「適宜」という雑な表現で書かれていたりします。来場者の着席状況に応じてアナウンスするタイミングを決めたいので、「何分から」とあまり決めてないんです。客席に誰もいない時にアナウンスしても意味がないので。
MC付きディレクターさんは会場内の着席状況を確認し、進行の統括(舞監さんなど)にいいかどうかの確認をして、カゲを入れるタイミングをMCさんに伝えましょう。逆に進行統括からQが出る場合はそれをMCさんに伝えましょう。
ちなみにカゲアナウンスを行う時には、マイクのON/OFFを確認(※カフがあればカフ)、音響のBGMのボリュームを絞り、映像を上映していれば映像切り替えなどを行うこともあるので、必ずインカムで「カゲ入れますがいいですか?」とひと声かけましょう。※カフは手元でON/OFFを切り替えるスイッチボックスのようなもの
2.本番中のきっかけ出し
これはMCが来場者前に出ている場合はMCさんがそのきっかけをリハーサルで覚えているので、ディレクターがきっかけを出す必要がほとんどありません。予定通りに進んでいるかを見守ればよいのです。
ただまれに、音先行とコメント先行を勘違いしてお見合いになってしまうことがあります。そんな時はすぐにMCさんにコメント出しのきっかけを出せるように準備しておきましょう。MC付きのディレクターは自身の役割がなかったとしても、常に台本上のコメントは追っておきましょう。何か異変があった場合は迅速に対応できるようにしましょう。
これはすごく難しいポイントなんですが、MC付きディレクターは止まっているものに「GO」はかけれるのですが、進んでいるものに「STOP」はかけづらいのです。「GO」のきっかけを出す時は本当に「GO」で良いか慎重に判断しましょう。
3.インカムで全体情報確認
MC付きのディレクターであってもインカムで全体のやりとりはちゃんと聞いておきましょう。イベントではやはり予定通りでないことがたくさん起きます。出演者トラブルやテクニカルトラブル、事故や天災など。その時にMCが状況をフォローする必要が出てくるのですが、その指示を迅速に伝えられるようにしましょう。
例えば表彰式などで「受賞者が急遽欠席になったので、その人カットして!」などの指示が急にやってきたりします。その際にインカムを注意深く聞いていると、事前に「受賞者の一人がスタンバイしてないのでカットになるかも」という話題が出ていて、その徴候が分かったりします。
政治関係のイベントの場合は特に登壇者の情報が直前にならないと分からないことが多いので、変更が多くなりMC付きの役割の重要度がすごく高くなりますので注意が必要です。急な対応で戸惑わないように熟練のディレクターさんをMC付きにあてることをオススメします。
インカムはいつからいつまでつけるべきか?と聞かれると、MCがしゃべる可能性があるタイミングはずっとつけていましょう。
特に本番の15分前には必ずインカムをしてステージ下手袖に張り付いて下さい。そこから本番終了まではトイレも行ってはいけません。水分を控え、先にトイレに行っておきましょう。
4.修正原稿作り
トラブルが起きた時や追加アナウンスをしたい時の指示はザックリくるので、それをMCさんに原稿にして渡せるようにしましょう。どの程度丁寧な原稿にするかは緊急度によりますが、できるだけ指示を原稿化することがMC付きディレクターの仕事だと思って下さい。自分で原稿を作ってくれる熟練のMCさんに甘えないで下さい。
修正は本番進行中に原稿が差し込まれる、または修正指示が入る場合があります。インカム経由で指示が来る場合もあれば、袖に偉い人が直接やってきて指示を伝えに来る場合があります。その内容を的確にMCさんに伝えましょう。伝える方法はカンペやメモの差し込みです。
袖に直接の場合は、周りの進行に関係するスタッフが知らない重要事項の場合がありますので、インカムで必ず共有を行いましょう。
5.進行状況確認
進行上のプログラムの押し引きの状況は必ずチェックをしましょう。自分の場合は台本のTIMEの欄に「+3分」とか押し状況を必ず書き込んでいます。
この押し引きによって、休憩時間の短縮や延長、プログラムのカットなどの判断が発生します。
進行統括さんからインカム経由で指示が来ると思いますが、慌てないように次に起こる出来事を予想しておきましょう。そして、それをすぐにMCに伝えられるように準備しておきましょう。
6.休憩指示
MCさんはしゃべるというお仕事に加えて、人前に出る、という大役も担っています。イベントのMC業はすごく消耗するのです。なので、比較的気を緩めていいタイミングをちゃんと伝えましょう。
「今の時間は映像上映が20分続くので休憩で大丈夫です。」や「講演が長いので、PPTが2ページ目からは袖に戻ってきていいですよ」など休めるタイミングの判断をしましょう。
休憩と言っても、急に映像が止まったり、講演が予定よりやたらと早く終わったりもする場合もあるので、完全にOFFという訳にはいかないこともちゃんと理解して判断を行いましょう。本番中は原則控室に戻しての休憩は行ってはいけません。
休憩指示は判断が間違った時に自分がものすごく怒られるリスクの高い判断です。慎重に判断を行いましょう。
本番の業務実はトラブルが起きなければもしかしてあんまりない?そうです。テクリハできっちり詰めていれば、トラブルがなければ本番時はMCさんが自走してくれるのです。
本番時のMC付きの仕事はトラブルシューターなのです。
MC付きディレクターさんの業務の7割はリハまでで完了すると行っても過言ではないでしょう。
たかがリハーサルとあなどらず、MC付きディレクターにとってはリハこそが本番、という意識で業務にあたって頂きたいと思います。
以上、3回に渡ってMC付きディレクターの業務についてご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?大変ですか?それとも当たり前に感じましたか?その感じ方であなたの熟練度が判定できるのではと思います。
このシリーズではMC付き業務の経験の浅いディレクターさんの少しでも円滑な進行の手助けができればと思い基本的なノウハウを紹介させて頂きました。ただ現場では当然ここに書いてあること以外のこともたくさん起きます。
あとはご自身の経験をもとに独自のノウハウを積み重ねて下さい。
またこんなマニアックなディレクター業務のポジションについてまとめたいと思います。リクエストがあれば是非ご意見をお寄せ下さい。それではまた!
【進行】MC付きディレクターの使命とは -台本チェックのポイント-
【進行】MC付きディレクターの使命とは -出会いからリハまで-
と、今回の記事を読めば、MC付きとしてやるべきことがだいたい分かると思います。
進行ディレクターの業務はあまり人に聞くことができないですよね。そんな状態でいきなり現場に行かされると怖いですよね。そんな経験の浅いあなたはまずこの記事を読んで予備知識を身につけてから現場に望みましょう!
3種類のリハーサル
リハーサルには三通りあります。いわゆる「テクニカルリハーサル」と「ランスルーリハーサル(ゲネプロ)」。ゲネプロという方はお芝居関係者に多いですかね。もう一つはリハというには微妙なんですが「場あたり」です。そもそもこの3つの違いをちゃんと理解していることから始まります。テクニカルリハーサルとは
技術(音響・照明・映像・特効・機構)関係のスタッフのみで行われるリハーサル。主に機材の正常動作確認や各シーンのきっかけ確認、素材のチェックとして行われる。通常はテクリハと略して表現されます。ちなみにドライリハーサル、ドライと表現される方がごくごく稀にいます。
技術(音響・照明・映像・特効・機構)関係のスタッフのみで行われるリハーサル。主に機材の正常動作確認や各シーンのきっかけ確認、素材のチェックとして行われる。通常はテクリハと略して表現されます。ちなみにドライリハーサル、ドライと表現される方がごくごく稀にいます。
場あたりとは
出演者が立ち位置や舞台上の備品の位置関係を確認すること。リハーサルと違い一部のパートのみを行う。声出しも一部のみ。またその際の音響や照明や映像は全て合わせずこれも一部の対応のみで行うこと。
出演者が立ち位置や舞台上の備品の位置関係を確認すること。リハーサルと違い一部のパートのみを行う。声出しも一部のみ。またその際の音響や照明や映像は全て合わせずこれも一部の対応のみで行うこと。
ランスルーリハーサルとは
ほぼ本番さながらに行うリハーサルのことを言います。場あたりとは違い、全てを通して行います。演者さんも実際に登場して、本番と同じように行います。またその際にテクニカル(音響照明映像特効)の演出もできる限り本番と同じように行います。こちらはドライリハに対してウェットリハーサルとも言われます。まだ使っている人に出会ったことないですが・・・
ほぼ本番さながらに行うリハーサルのことを言います。場あたりとは違い、全てを通して行います。演者さんも実際に登場して、本番と同じように行います。またその際にテクニカル(音響照明映像特効)の演出もできる限り本番と同じように行います。こちらはドライリハに対してウェットリハーサルとも言われます。まだ使っている人に出会ったことないですが・・・
テクニカルリハーサルでやるべきこと
テクリハなので、MCさんがまだ入っていない設定です。その前に確認すべきことがたくさんあるのです。テクリハにMCさんが加わってくれる場合は、その前にできるだけ下記のことを行っておきましょう。
1.位置関係の確認
厳密に言えばテクリハ前にチェックしておきたいことではありますが、MCの立場になって会場に行き、それぞれの位置関係が図面と同じかどうかを確認しましょう。思ったり狭い、思ったより近い、思ったより遠いなどの所感をMCさんに伝えられるようにしましょう。
具体的には以下のポイントです。
- カゲアナスペースの確保
- 司会台の位置
- 司会の立ち位置
- 二人で進行する場合の上下の位置
- 裏導線
- ステップとステージの高さ
- 移動などをした場合の立ち位置
- 司会から見える来場者の角度
- カメラ位置
- 司会から見える登壇者の角度
- MC隠しのスペース
- 返しモニターの角度
2.MC関係備品の用意
MCが使う備品にはたくさんのものがあります。MCが実際に入る前に完璧に用意しておきましょう。
リハーサルや本番が始まってから慌てて用意しては時すでに遅しです。アレどこ行った?と聞かれる前に必ず用意しておきましょう。
具体的には以下のポイントです。
- 本番マイク(音響さんから確保)
- カゲマイク(カフ付きかどうか確認しましょう)
- 手元明かり(正面演出を行う場合はマストです)
- 電波時計(正確な時間設定をしましょう)
- マイクスタンド(手持ちが好きな方はスポンジ)
- 返しモニター(映像との絡みがなければ不要)
- 水(喉が締まるので常温にしましょう)
- インカム(MC付きディレクターの必需品)
- カンペやメモ(すぐに書けるようにしましょう)
3.台本の仮読み
MCが入っていないテクリハではMC付きディレクターがMCの代わりを行うことがよくあります。その際にちゃんと読めるようにしておきましょう。
以前の記事の台本のチェックがここで生きてきます。台本チェックの確認が甘い進行ディレクターが仮読みを行い、クライアント名を読み間違って気まずい空気になっているのは定番ではありますが、正直みっともないです。ちゃんと声に出して読めるようにしておきましょう。
また仮読みをしていると、こうした方がいいという指摘が入る場合があります。原稿の修正連絡はMC付きディレクターの最も重要な仕事の一つ。一言一句間違えずにメモして必ずMCに伝えましょう。
4.きっかけチェック
台本通りにテクニカルリハーサルを行っていると違和感を感じる部分が必ず出てきます。リハーサル中にきっかけが変わることがよくあるので、これも必ずメモしてMCに伝えましょう。
感覚の部分は実際にリハーサルをしてみないと分からないと思いますが、その時の感じが先に伝わっているかどうかでMCさんの負担は随分変わるはずです。また先にMCに伝えることで貴重なリハーサル時間も短縮できたりします。
MCに関連するきっかけには具体的には以下の様なものがあります。覚えておきましょう。
- 音きっかけ
音先行かコメント先行か、またはアタック音を何秒聞かせてからなど - 照明きっかけ
暗転からMCサスが入ったら読み始めるなど。まれに暗転中のMCタイトルコール先行なども - 映像きっかけ
VTRが終わったら読み始めるなど - 板付ききっかけ
PPT終了の数枚前から板付いて欲しいなど - 締め、コーナー変わりきっかけ
トークの切れるポイント、話題を変えるきっかけやQ&Aで何人対応するかなど
以上、テクニカルリハーサルでMC付きディレクターが行うべき業務をまとめてみました。
確認するポイントが多いですよね。なので、事前の台本チェックが非常に重要になるのです。そうしないと時間が足りないですよね。本番のイメージがしやすい参考書として進行台本があるのです。
本番時にやるべきこと
場あたりはどちらかと言うとMC以外の演者さんたちのためのもの、ランスルーリハはほぼ本番さながら、つまり本番と同じ業務ということで、ここからは本番時の業務について解説したいと思います。1.カゲアナウンスきっかけ出し
進行台本にはカゲアナウンスのタイミングは、よく「適宜」という雑な表現で書かれていたりします。来場者の着席状況に応じてアナウンスするタイミングを決めたいので、「何分から」とあまり決めてないんです。客席に誰もいない時にアナウンスしても意味がないので。
MC付きディレクターさんは会場内の着席状況を確認し、進行の統括(舞監さんなど)にいいかどうかの確認をして、カゲを入れるタイミングをMCさんに伝えましょう。逆に進行統括からQが出る場合はそれをMCさんに伝えましょう。
ちなみにカゲアナウンスを行う時には、マイクのON/OFFを確認(※カフがあればカフ)、音響のBGMのボリュームを絞り、映像を上映していれば映像切り替えなどを行うこともあるので、必ずインカムで「カゲ入れますがいいですか?」とひと声かけましょう。※カフは手元でON/OFFを切り替えるスイッチボックスのようなもの
2.本番中のきっかけ出し
これはMCが来場者前に出ている場合はMCさんがそのきっかけをリハーサルで覚えているので、ディレクターがきっかけを出す必要がほとんどありません。予定通りに進んでいるかを見守ればよいのです。
ただまれに、音先行とコメント先行を勘違いしてお見合いになってしまうことがあります。そんな時はすぐにMCさんにコメント出しのきっかけを出せるように準備しておきましょう。MC付きのディレクターは自身の役割がなかったとしても、常に台本上のコメントは追っておきましょう。何か異変があった場合は迅速に対応できるようにしましょう。
これはすごく難しいポイントなんですが、MC付きディレクターは止まっているものに「GO」はかけれるのですが、進んでいるものに「STOP」はかけづらいのです。「GO」のきっかけを出す時は本当に「GO」で良いか慎重に判断しましょう。
3.インカムで全体情報確認
MC付きのディレクターであってもインカムで全体のやりとりはちゃんと聞いておきましょう。イベントではやはり予定通りでないことがたくさん起きます。出演者トラブルやテクニカルトラブル、事故や天災など。その時にMCが状況をフォローする必要が出てくるのですが、その指示を迅速に伝えられるようにしましょう。
例えば表彰式などで「受賞者が急遽欠席になったので、その人カットして!」などの指示が急にやってきたりします。その際にインカムを注意深く聞いていると、事前に「受賞者の一人がスタンバイしてないのでカットになるかも」という話題が出ていて、その徴候が分かったりします。
政治関係のイベントの場合は特に登壇者の情報が直前にならないと分からないことが多いので、変更が多くなりMC付きの役割の重要度がすごく高くなりますので注意が必要です。急な対応で戸惑わないように熟練のディレクターさんをMC付きにあてることをオススメします。
インカムはいつからいつまでつけるべきか?と聞かれると、MCがしゃべる可能性があるタイミングはずっとつけていましょう。
特に本番の15分前には必ずインカムをしてステージ下手袖に張り付いて下さい。そこから本番終了まではトイレも行ってはいけません。水分を控え、先にトイレに行っておきましょう。
4.修正原稿作り
トラブルが起きた時や追加アナウンスをしたい時の指示はザックリくるので、それをMCさんに原稿にして渡せるようにしましょう。どの程度丁寧な原稿にするかは緊急度によりますが、できるだけ指示を原稿化することがMC付きディレクターの仕事だと思って下さい。自分で原稿を作ってくれる熟練のMCさんに甘えないで下さい。
修正は本番進行中に原稿が差し込まれる、または修正指示が入る場合があります。インカム経由で指示が来る場合もあれば、袖に偉い人が直接やってきて指示を伝えに来る場合があります。その内容を的確にMCさんに伝えましょう。伝える方法はカンペやメモの差し込みです。
袖に直接の場合は、周りの進行に関係するスタッフが知らない重要事項の場合がありますので、インカムで必ず共有を行いましょう。
5.進行状況確認
進行上のプログラムの押し引きの状況は必ずチェックをしましょう。自分の場合は台本のTIMEの欄に「+3分」とか押し状況を必ず書き込んでいます。
この押し引きによって、休憩時間の短縮や延長、プログラムのカットなどの判断が発生します。
進行統括さんからインカム経由で指示が来ると思いますが、慌てないように次に起こる出来事を予想しておきましょう。そして、それをすぐにMCに伝えられるように準備しておきましょう。
6.休憩指示
MCさんはしゃべるというお仕事に加えて、人前に出る、という大役も担っています。イベントのMC業はすごく消耗するのです。なので、比較的気を緩めていいタイミングをちゃんと伝えましょう。
「今の時間は映像上映が20分続くので休憩で大丈夫です。」や「講演が長いので、PPTが2ページ目からは袖に戻ってきていいですよ」など休めるタイミングの判断をしましょう。
休憩と言っても、急に映像が止まったり、講演が予定よりやたらと早く終わったりもする場合もあるので、完全にOFFという訳にはいかないこともちゃんと理解して判断を行いましょう。本番中は原則控室に戻しての休憩は行ってはいけません。
休憩指示は判断が間違った時に自分がものすごく怒られるリスクの高い判断です。慎重に判断を行いましょう。
本番の業務実はトラブルが起きなければもしかしてあんまりない?そうです。テクリハできっちり詰めていれば、トラブルがなければ本番時はMCさんが自走してくれるのです。
本番時のMC付きの仕事はトラブルシューターなのです。
MC付きディレクターさんの業務の7割はリハまでで完了すると行っても過言ではないでしょう。
たかがリハーサルとあなどらず、MC付きディレクターにとってはリハこそが本番、という意識で業務にあたって頂きたいと思います。
以上、3回に渡ってMC付きディレクターの業務についてご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?大変ですか?それとも当たり前に感じましたか?その感じ方であなたの熟練度が判定できるのではと思います。
このシリーズではMC付き業務の経験の浅いディレクターさんの少しでも円滑な進行の手助けができればと思い基本的なノウハウを紹介させて頂きました。ただ現場では当然ここに書いてあること以外のこともたくさん起きます。
あとはご自身の経験をもとに独自のノウハウを積み重ねて下さい。
またこんなマニアックなディレクター業務のポジションについてまとめたいと思います。リクエストがあれば是非ご意見をお寄せ下さい。それではまた!
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