イベントの進行ディレクターを依頼された時には色々なポジションを任されると思いますが、その中でも自分が一番緊張感を感じる業務があります。それがMC付きです。
MCさんへの指示の仕方を間違うとイベントが台無しになってしまいます。またその都度その都度の状況に合わせて対応しなければいけないので非常に緊張感が高まります。
MC付きに慣れていない進行見習いさんはこの記事を読んで、少しでもMCさんの負担を減らせるように、MCさんのパフォーマンスを最大限発揮できるように業務を行いましょう。

そもそもMC付きとは、ステージを補佐する進行ディレクターさんの業務の中で、特にMCさんを専属でサポートするポジションです。
ある程度経験の豊富なディレクターが行うことが多いです。演出の少ないイベントでは舞台監督さんが兼務されることも少なくありません。イベント自体のGOやSTOPやSTAYを指示する立場にあるため、臨機応変かつ対応の早さが求められる難易度の高い業務です。

MCはイベントによりいろいろな方が行います。本職のイベントの女性MCさん、男性MCさん、ベテラン司会者さんだけではありません。テレビ局やラジオ局のアナウンサーさん、芸人さん、タレントさん、社員さんなど様々です。
誰がMCなるかによって対応は微妙に異なりますが、基本はどんなMCでもイベントの進行を行うという点では変わりません。MC付きの業務も大きくは変わりません。この記事で基礎となる考え方を学びMC付きのポジションをマスターしましょう!
MCさんにとって、進行台本は生命線です。MC付きディレクターさんも同じぐらい穴が空くほど読み込んでチェックを行いましょう。

制作の立場でこれを言うのはツラいのですが、台本は結構ミスが多いです。
たくさんのページで構成された進行台本にはどうしてもミスや誤植が出てしまい、チェックを重ねた完璧な状態で現場を迎えられることばかりではありません。校正という作業は専門職になるくらい難しいのです。
単純な分かりやすいミスだけならいいのですが、台本によってはどちらでも成立するような微妙なミスもあります。ちゃんと読み込んでいれば気づけるはずなので何度も読んでミスを見つけましょう。制作側からするとMC付きの方に別の視点で一足早めに台本をチェックしてもらえると、確認が手遅れにならずに非常に助かります。
MC付きの方は受け取った時、出来るだけ早く進行台本をチェックしましょう。MCさんが会場入りする前にその部分を処理することで、本番時の余裕を作り、MCさんの負担を軽減することができます。
1.読み方
肩書や名前などの固有名詞は要チェックです。
自分では当たり前だと思っていることが結構違っていたりします。日本の国名も「にほん」「にっぽん」の二通りの読み方があるぐらい本当に日本語の読みは難しいです。ちなみに日本を会社名につける場合どちらの読みでも構わないというルールになっています。
分かる方を掴まえて早めに確認しましょう。

以前「春風」という作品名を紹介する時に、当然「はるかぜ」だと思ってMCさんに読んでもらったら、作者ご自身が「しゅんぷう」と言っていたので慌てて訂正したことがあります。その節は大変失礼いたしました。
また英語部分も注意が必要です。頭文字をとるような略語の場合は、カタカナ的に読む場合とそのままアルファベット読みする場合があります。ASEANは「アセアン」ですよね。NISAは「ニーサ」ですよね。でもTPPは「ティーピーピー」。OEMは「オーイーエム」。
2.イントネーション
こちらも固有名詞が難しいです。名前は特に独特のイントネーションだったりするので、少しでも怪しいと思ったら確認しましょう。これも読み方同様、当たり前だと思っても違うことが結構あります。
さらに面倒なのが、イントネーションの問題は確認しても「多分そうだと思う」と曖昧に返されることが多いです。そう言われてもその方に失礼に当たるのでと食い下がり、できるだけちゃんと確認しましょう。本番時に間違いが発覚して恥をかくのはMCさんです。そのようなことがないように露払いとして事前に潰しておきましょう。
3.きっかけ確認
セリフ部分だけを読んでいると間違いに気付きづらいのが「きっかけ」です。
「きっかけ」はスタートするタイミングという意味で使われる業界用語です。これを間違えるとチグハグな感じがして、まるでジャンガジャンガをしたくなるような雰囲気に襲われてしまいます。
このチェックはかなり難易度が高いのですが、音、明かり、映像、動き、セリフのどれが一番最初に来るとしっくり来るか、ステージの様子を思い浮かべてチェックしましょう。その上で制作さんに、これは「音先?(音先行とも言う)」、「映像にかぶせてコメント?」、「サスきっかけ?」などの確認を行いましょう。
4.位置関係
台本上で書かれている位置関係がどうなっているかも確認しましょう。
自分も台本を作成する時に結構やってしまうのですが、いつの間にかMCが消えている、MCの位置がワープしているとかあります。MCがこの時どこにいる?ということを常に意識して台本を読みましょう。
あとMCが移動する場合はその移動する道がちゃんとつながっているかも確認しましょう。ステージの高さがH600あるのに階段がないとか、裏導線の入口がないとか、控室からの導線がどうなっているかも資料上で確認できます。
MCは以前にもご紹介した「Master of Ceremony」。他の出演者たちもどのような動きをしているか確認しましょう。それによってきっかけが変わる場合もあります。
MCは会場にいる方々の案内役にもなります。MCが案内する場所の位置関係も資料上で把握しておきましょう。喫煙所、トイレ、受付、物販会場・・・も台本の図面上どこにあるかを把握しておきましょう。
それは「声に出して読む」ということです。

台本を声に出して読むことで、違和感が見つけやすくなります。普段やっていない方はぜひ試してみて下さい。目からウロコですよ。
セリフ部分だけでなくト書きも読んで下さい。誤植や読みづらい部分、きっかけの発見率が格段に上がります。3回もこれを行えばほぼパーフェクトなチェックができることでしょう。
まずはMC付きの行うべき業務の第一歩をご紹介してみました。
まだ段階としてはMCさんが会場入りする前の状態です。ここからが本番です。会場入りする際の対応、リハーサルの動き、本番時の動きなど、まだまだご紹介したい要素があります。
そこはまた別の機会でまとめたいと思います。どうぞご期待ください。
MCさんへの指示の仕方を間違うとイベントが台無しになってしまいます。またその都度その都度の状況に合わせて対応しなければいけないので非常に緊張感が高まります。
MC付きに慣れていない進行見習いさんはこの記事を読んで、少しでもMCさんの負担を減らせるように、MCさんのパフォーマンスを最大限発揮できるように業務を行いましょう。

MC付きディレクターとは
そもそもMC付きとは、ステージを補佐する進行ディレクターさんの業務の中で、特にMCさんを専属でサポートするポジションです。ある程度経験の豊富なディレクターが行うことが多いです。演出の少ないイベントでは舞台監督さんが兼務されることも少なくありません。イベント自体のGOやSTOPやSTAYを指示する立場にあるため、臨機応変かつ対応の早さが求められる難易度の高い業務です。
どんなMCに付くか

MCはイベントによりいろいろな方が行います。本職のイベントの女性MCさん、男性MCさん、ベテラン司会者さんだけではありません。テレビ局やラジオ局のアナウンサーさん、芸人さん、タレントさん、社員さんなど様々です。
誰がMCなるかによって対応は微妙に異なりますが、基本はどんなMCでもイベントの進行を行うという点では変わりません。MC付きの業務も大きくは変わりません。この記事で基礎となる考え方を学びMC付きのポジションをマスターしましょう!
台本は実はミスや誤植だらけ
司会付きのディレクターがまず行って欲しい業務の一つに台本チェックがあります。MCさんにとって、進行台本は生命線です。MC付きディレクターさんも同じぐらい穴が空くほど読み込んでチェックを行いましょう。

制作の立場でこれを言うのはツラいのですが、台本は結構ミスが多いです。
たくさんのページで構成された進行台本にはどうしてもミスや誤植が出てしまい、チェックを重ねた完璧な状態で現場を迎えられることばかりではありません。校正という作業は専門職になるくらい難しいのです。
単純な分かりやすいミスだけならいいのですが、台本によってはどちらでも成立するような微妙なミスもあります。ちゃんと読み込んでいれば気づけるはずなので何度も読んでミスを見つけましょう。制作側からするとMC付きの方に別の視点で一足早めに台本をチェックしてもらえると、確認が手遅れにならずに非常に助かります。
MC付きの方は受け取った時、出来るだけ早く進行台本をチェックしましょう。MCさんが会場入りする前にその部分を処理することで、本番時の余裕を作り、MCさんの負担を軽減することができます。
ココが変だよ台本のチェックポイント
1.読み方
肩書や名前などの固有名詞は要チェックです。
自分では当たり前だと思っていることが結構違っていたりします。日本の国名も「にほん」「にっぽん」の二通りの読み方があるぐらい本当に日本語の読みは難しいです。ちなみに日本を会社名につける場合どちらの読みでも構わないというルールになっています。
分かる方を掴まえて早めに確認しましょう。

以前「春風」という作品名を紹介する時に、当然「はるかぜ」だと思ってMCさんに読んでもらったら、作者ご自身が「しゅんぷう」と言っていたので慌てて訂正したことがあります。その節は大変失礼いたしました。
また英語部分も注意が必要です。頭文字をとるような略語の場合は、カタカナ的に読む場合とそのままアルファベット読みする場合があります。ASEANは「アセアン」ですよね。NISAは「ニーサ」ですよね。でもTPPは「ティーピーピー」。OEMは「オーイーエム」。
2.イントネーション
こちらも固有名詞が難しいです。名前は特に独特のイントネーションだったりするので、少しでも怪しいと思ったら確認しましょう。これも読み方同様、当たり前だと思っても違うことが結構あります。
さらに面倒なのが、イントネーションの問題は確認しても「多分そうだと思う」と曖昧に返されることが多いです。そう言われてもその方に失礼に当たるのでと食い下がり、できるだけちゃんと確認しましょう。本番時に間違いが発覚して恥をかくのはMCさんです。そのようなことがないように露払いとして事前に潰しておきましょう。
3.きっかけ確認
セリフ部分だけを読んでいると間違いに気付きづらいのが「きっかけ」です。
「きっかけ」はスタートするタイミングという意味で使われる業界用語です。これを間違えるとチグハグな感じがして、まるでジャンガジャンガをしたくなるような雰囲気に襲われてしまいます。
このチェックはかなり難易度が高いのですが、音、明かり、映像、動き、セリフのどれが一番最初に来るとしっくり来るか、ステージの様子を思い浮かべてチェックしましょう。その上で制作さんに、これは「音先?(音先行とも言う)」、「映像にかぶせてコメント?」、「サスきっかけ?」などの確認を行いましょう。
4.位置関係
台本上で書かれている位置関係がどうなっているかも確認しましょう。
自分も台本を作成する時に結構やってしまうのですが、いつの間にかMCが消えている、MCの位置がワープしているとかあります。MCがこの時どこにいる?ということを常に意識して台本を読みましょう。
あとMCが移動する場合はその移動する道がちゃんとつながっているかも確認しましょう。ステージの高さがH600あるのに階段がないとか、裏導線の入口がないとか、控室からの導線がどうなっているかも資料上で確認できます。
MCは以前にもご紹介した「Master of Ceremony」。他の出演者たちもどのような動きをしているか確認しましょう。それによってきっかけが変わる場合もあります。
MCは会場にいる方々の案内役にもなります。MCが案内する場所の位置関係も資料上で把握しておきましょう。喫煙所、トイレ、受付、物販会場・・・も台本の図面上どこにあるかを把握しておきましょう。
ミスを発見しやすい台本の読み方
実はココが変だというポイントをいち早く見つける方法があります。ちょっとバカっぽいかも知れませんが案外あなどれません。自分はいつもこれで台本上のエラーチェックをしています。それは「声に出して読む」ということです。

台本を声に出して読むことで、違和感が見つけやすくなります。普段やっていない方はぜひ試してみて下さい。目からウロコですよ。
セリフ部分だけでなくト書きも読んで下さい。誤植や読みづらい部分、きっかけの発見率が格段に上がります。3回もこれを行えばほぼパーフェクトなチェックができることでしょう。
まずはMC付きの行うべき業務の第一歩をご紹介してみました。
まだ段階としてはMCさんが会場入りする前の状態です。ここからが本番です。会場入りする際の対応、リハーサルの動き、本番時の動きなど、まだまだご紹介したい要素があります。
そこはまた別の機会でまとめたいと思います。どうぞご期待ください。
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