イベント業界の新人の皆さんはこの業務よくやりますよね。
そう、それが控室ケータリングです。
今回はケータリングの特にドリンク準備にスポットライトを当ててみたいと思います。
kaden_horeiko

ケータリングとは?

本来ケータリングとは
ケータリング(英: catering)とは、顧客の指定する元に出向いて食事を配膳、提供するサービス業のこと。※出典 Wikipedia
とありますが、イベント業界では広義におもてなし準備全般を指すことが多いです。

出演者やスタッフはイベントの準備が始まるとなかなか会場の外に出ることができません。
またできたとしても会場が辺ぴなところにあるとコンビニに行くこともままなりません。

ピリピリとしたイベントの仕事を終えて、ほっと一息つこうと思ったら殺風景な控室。
のどが渇いても自販機がどこにあるかさえ分からない。
探すのも面倒でぐったりしているうちに仕事が再開。

そんなことじゃ控室でも休めませんよね。
そこでイベント会場で快適に過ごすケータリングが必要になってくるのです。

ケータリングを用意するのは運営の中の主に庶務と言われるセクションなのですが、セクション分けされていない現場では運営や制作の人間が行ったりします。
今回はそんなスタッフのために、出演者やスタッフがイベント会場で快適に過ごすことができるケータリング準備のテクニックをご紹介したいと思います。


飲み物の種類

ケータリングでは必ず飲み物を用意します。
飲み物は具体的になにをどのように用意するかで運営のセンスが問われます。

まず用意すべきが「水」
bousai_water
やはり癖がなく誰でも飲める水は用意しておいた方がいいです。
スタッフ用としてはなくてもいいのですが、出演者用では絶対用意しましょう。
500mlは若干多く重いので、330mlのエビアンはよく使われています。
526891_3L1
ホテルの現場などではグラスとウォーターサーバーのセットは無料でお願いすることができますので、それをオーダーしておくと良いでしょう。


そして「お茶」
petbottle_tea

控室では長く滞在するのでお茶も必需品です。
その際は優先順位的には、甘めの紅茶ではなく、プレーンな緑茶がいいでしょうね。
お弁当の時だけでなく、少し時間が空いた時などでも飲めるので、多めに用意しましょう。
その際、1人1本づつだとかさばるのとコストがキツくなってくるので、大きな2Lペットボトル+プラカップを用意しておくと良いでしょう。
9935418_3L1
プラカップも使った後場所を離れるとどれが自分のか分からなくなるので、名前を書けるようにマジックを用意しておくと親切かつ経済的です。
「自分が使ったものには名前を書いて下さい。」などのメモも添えましょうね。


センスが問われる「ジュース」
petbottle_juice
これは正直正解が分かりません。。
先程お茶の下りで書きました甘めの紅茶、ミルクティー、甘めのコーヒー、オレンジジュースのような果汁系、スポーツドリンクなどお好みに合わせて。
だいたい不人気で余ってしまうのですが、ないとないで寂しいんですよね。
1Lぐらいのペットがあればそれを数種類が賢いと思います。


人数が多い時の手配の割合ですが、
2 お茶 5 ジュース 3
ぐらいがスタンダードな気がします。

これは対象者や季節などによって変わってきますので、独自の配合を見つけてくださいね。


ドリンクの買い出し

事前に用意して車で持ち込むのも良いかと思いますが、水分はやはり重くて大変です。
なので、多少予算がかかっても近くのコンビニなどで手配することをおすすめします。
現場の当日は男性スタッフの手の空くタイミングがあったりするものです。
その時を見計らって数名で一気に買い出しに行きましょう。
1日のイベントであればそれぐらいでだいたい十分だったりします。

出演者の入りが早く、早めに控室をセットアップしたい場合は前日に積み込んだ方が良いですよ。

また複数日開催の場合は当然量が多くなると思いますので、車で運び込み、もしくは会場あてに通販で宅配便で持ち込んでもらうこともアリでしょう。
宅配便は広い会場だと迷子になって受け取れない、お願いした時間に届かないなどのリスクがありますが、その辺のリスクヘッジができるのであれば一番楽に安く手配が可能です。


飲み物の温度管理

これは非常に難しいです。
涼しくなってくると、コーヒー、緑茶や紅茶は温かいものが求められます。
特にコーヒーは涼しくなくても温かいものを好まれる方がいます
温かいものはより温かく、冷たいものはより冷たくという料理の鉄則から言いますと、既存の控室備品では足らなくなる場合すらあります。
そんな時はどうしたら良いかを簡単にまとめてみました。


湯沸かしポット
cooking_denki_pot
あまりこれを最初から備えている控室はありません。
タレントさんが入るケースや長めの時間控室を使うケースで必要となる場合は、持ち込むか、レンタルしたものを入れましょう。
湯沸かしポットはインスタントのドリップ式のコーヒーやティーバックのお茶を飲む、またカップラーメンを食べたい時は重宝します。
ちなみに湯沸かしポットは電力を多く使うので、控室内の電力不足には注意しましょう。
不意にバチッとブレーカーが落ちてしまう場合があります。


クーラーボックス
ice_petbottle
飲み物を冷やすのに真っ先に思いつくのは冷蔵庫だと思いますが、現場では電力も使わないクーラーボックスを使うことが多いです。

氷の調達はドリンクを買う際に一緒に買ってきてしまえばそれも大した手間ではありません。
またクーラーボックスもハードなタイプではなくアウトドア用の安価な折り畳めるバックを使えばそこまでかさばりません。
_SY450_
いつも常温で用意しているイベント会社さん、これから暑くなる季節なので、火照った身体をさます冷たいものを飲めるようにクーラーボックスを用意しましょう。
ちなみにクーラーボックスを用意する時には水滴を拭うタオルや布巾の用意を忘れずに。


コーヒーポットサービス
images
コーヒーはコーヒーメーカーを入れて対応することもありますが、都度入れて提供するのはなかなか手間とお金がかかります。
落としてから数時間も加熱し続けたコーヒーなんて誰も飲みたいくないですもんね。
そこで現場では近所のカフェがあれば数杯分入れておけるポットサービスを利用することがあります。
人数が見えているのであれば、これが一番手離れが良いです。
クオリティーの低いコーヒーではなく、お店のちゃんとしたコーヒーが飲めるので出演者の方からはとても喜ばれます。


逆に常温
2013091800041_1
コンビニでも最近常温のドリンクが置いていますよね。
女性に多いのですが、夏でもクーラーがガンガン効いている、身体を冷やしたくない場合に常温の飲み物が求められる場合があります。
夏だからといって全部が全部クーラーボックスに入れず、常温のものも少しは残しておきましょう。
特にMCさんやアーティストさんなどは喉が締まるといって、自前の水筒に入れた温かい飲み物や常温のお水を飲まれたりしますので注意が必要です。


ケータリングのレベル設定

ケータリング準備はやり過ぎてでもいいというわけではありません。
制作側から与えられている予算は限られています。
また全体からしてみるとあんまり時間をかけられる作業ではありません。
ケータリング対象者によりおもてなしの段階がありますので、それに合わせた手配を行いましょう。

ケータリング備品は非常に細かいものが多いので、準備の際のお互いの手間を減らすために、Aセット、Bセット、Cセットなどのようにパターン化しておくと便利でしょう。
現場の経験から下記のようなレベル設定を考えてみました。
是非参考にしてみて下さい。


イベントちゃんねるが考えるケータリングドリンクレベル

Aセット
常温の水・お茶

Bセット
常温の水・お茶・ジュース

Cセット
クーラーボックス入りの水、お茶、ジュース
常温の水
コーヒーポットサービス
湯沸かしポット



過剰なおもてなし

dada_koneru_boy
たまーにいるのですが、控室のケータリングで異常に自分の好みを要求してくる方。
制作や運営、庶務スタッフの負荷になるので過度なリクエストは避けましょう。
「俺はダイエットコークが欲しい!」とかわざわざリクエストをされると、それを売っているところを探したり手配がすさまじく面倒になります。

過酷な仕事の合間なので快適に過ごして欲しいという気持ちはありますが、あくまでそこは仮設のイベント会場の中のイチ空間。
多少の不満があったとしても、自分のわがままで一部のスタッフに過度な負荷をかけないように、リスエストをするにしても配慮を心がけましょう。
手配する側は対象者の要望の最大公約数を読み取り、限られた予算、限られた時間に合わせた効率の良い手配を心がけましょう。



ちゃんとそれぞれに合わせて手配するとケータリングドリンク一つとっても案外難しいものなんです。
発注する側はどの程度のレベルを求めているかを正確に伝えましょう。

効率よく準備を進めた結果、丁寧に行うべきことをより丁寧に対応できるようになり、全員におもてなし感を伝えることができるようになるでしょう。

現場ではこれに控室備品や軽食などが加わってくるのでさらに複雑になります。
控室備品や軽食についてはまた別の機会でまとめたいと思います。