イベントが中止になった経験ってありますか?
小学校時代、遠足とか運動会とかよく中止連絡が連絡網でまわってきたりしましたよね。

実はイベントってものすごく様々な状況に左右されてしまうんです。
無事開催できただけでラッキーと思ってもいいぐらいなんですよ。
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今回はその様々なイベントにまつわる様々な中止、中断、変更リスクについて紹介したいと思います。


イベントに影響があるのはこんな時

運が良いことに、自分のイベント人生の中では一度も中止となったことはありませんが、中止を検討したことは何度もあります。
また急遽プランが変更になったこともたくさんあります。
こんな状況の場合はなんらかの影響がある、という心構えをしておいて下さい。

天候の悪化

一番考えやすいのは、台風、ゲリラ豪雨です。
そして強風、大雪があげられます。
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そもそも交通機関が麻痺して会場に到達できないんです。
会場近隣の電車はもちろん、新幹線や飛行機を使う場合はさらに遠隔地の悪天候も影響が出ます。

これってお客さんだけのことのように感じませんか?
考えてみれば当たり前ですが、スタッフも出演者も会場に来ることができません。
スタッフの入り時間、設営時間を考慮すると、結構ありえる話だと思いませんか?

これにより、中止、中断になってしまったイベントもたくさんあります。
「イナズマロック フェス 2017」2日目は台風の影響で中止にhttps://natalie.mu/music/news/249073
TMレボリューションの西川さんが発起人の邦楽系野外ロックフェス「イナズマロックフェス」が台風による雷雨の影響で2年連続で中止という、まるで冗談のような出来事が起きました。
いちイベント屋としてもただただ可哀想と思うばかりです。ちなみに2015年に自分が見に行ったのですが、9月の青空のもと、広がる琵琶湖のほとりですごく気持ちよかった空間だったのを覚えています。
AKB中止にファンの“涙雨” 「もう沖縄を遊び倒すしかない」 http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/102945
これも悲惨でしたね。
ここまで会場を設営しておきながら、コンサートは中止。
総選挙も屋内会場に急遽変更。
主催者としてはただ莫大なお金が追加でかかっただけという結果に。
ファンの理解のあるコメントがまた涙を誘います。


地震、津波などの天災

いわずもがな東日本大震災の時はその動きは顕著でした。
日本国中それどころではありませんでしたね。
イベントの主催をされている方々は開催中止の対応に追われて駆けずり回っていました。
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そしてさらなる二次被害で、イベントは不謹慎ということでの日本中のイベント自粛ムード
この自粛ムードは約3ヶ月続き、周りのイベント会社さんはかなり深刻な状況に陥ったと聞いています。

想像が及びづらいところでは、違う地方で被害があったことも影響があるのです。
例えば全国規模の営業所を持つ会社やその地域に工場を持つ会社、出演者の近親者がその地域に住んでいて被災者になりイベントに来れなくなるなど。
どんな角度から中止になるか分かりません。


経済・ビジネストラブル

イベントを主催する会社や組織の業界のトラブルに巻き込まれることもあります。
少し分かりづらいと思いますので、自分の経験談をご紹介させて頂きます。
10数年前保険会社さんのコンベンションを担当していた時、イベントの開催1ヶ月前にあるニュースが飛び込んできました。
生保業界を震撼させた保険金不払い問題
https://www.insurance-complete.info/industry/kinyuukiki/fubarai.html
これにより、急遽イベントの規模を変更することになりました。
準備している側はてんやわんやでしたね。

また別の機会の時は旅行会社さんのお仕事をしている時に、海外で旅行に関連したトラブルがあり、それに近い旅行商品の紹介を急遽プログラムから外そう、と大慌てで差し替えた記憶があります。

制作業を営む方々はイベント業の知識を身につけるだけでなく、経済ニュースも最低限押えておくことをおすすめします。
でないと、心の準備がないまま思いっきりこのような事情に振り回されます。


政局の影響

政治に関わるエピソードはあまり具体的には言えませんが、やはりものすごい緊張感があります。
政治家の方々がご出席されるイベントはスケジュールが1分1秒を争うため、当日の30分前でも来るのかこないのか分からないという状況ばかりです。
特に立ち位置や並びが影響する鏡開きやテープカットセレモニー、除幕式はすごくヒヤヒヤします。

さらに、昨年あったような大規模選挙が関わるとさぁ大変。
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当落により、出欠席だけでなく、立場(肩書)も変わってしまいます。
それにより、資料やサインの修正、欠席のパターン別のシミュレーションがも加わり通常の作業の倍以上の手間がかかるイベントへと大変身してしまうのです。


伝染病による健康管理

「インフルエンザで学級閉鎖とか大変だなぁ」とか他人事のように思っていたことが、まさか自分も関係あるとは思ってもみませんでした。
その時、1万人規模のイベントに関わっており、全部の入口にアルコールスプレーを置かねばならず、慌てて大量のアルコールスプレーを用意をしたことがあります。
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このような対処が求められる以外にも、招待者のキャンセルや制作側のキーマンが病気になり、イベントが開催できないということも考えられます。
ノロウィルスなんかも感染の可能性があるので事実上出社禁止ですよね。

同じ伝染病だと、デング熱発生のために、代々木公園で行われる大型イベントに影響があったとも聞いたことがあります。
代々木公園の蚊に刺されて感染か 都内の学校に通う3人https://www.huffingtonpost.jp/2014/08/28/yoyogi-dengue_n_5727428.html


出演者のパーソナルな理由

たくさんの出演者の中のひとりが、ということであればまだ対応はしやすいのですが、その方が重要な役割だったり、その人でないと成立しないということだと困りますよね。
アーティストの単独公演やフェスのヘッドライナーなどのその人の名前で集客している場合は来場者も穏やかではいられないと思います。

この規模のイベントがこのタイミングで中止になるなんて、ということでイベント業界以外からも注目を浴びていたのがこのニュース。
ついに全公演中止に…ポール・マッカートニー来日公演の今後は?
https://matome.naver.jp/odai/2140056009101532301
洋楽アーティストさんはほんと多いですよね。
このアーティストさんもなかなかのキャンセル率で話題になっていました。
AVICII来日決定 過去3回のドタキャンヒストリー!
https://andmore-fes.com/13997/
AVICIIさんは4回目の正直でちゃんと来て、会場を熱狂させていたが、ここまで来るとまさに、無事開催できてラッキーというレベルに感じてしまいます。


運営上の事故

こんなことは本当に考えたくありませんが、起こりうるリスクとしてちゃんと考えておきましょう。
運営面で起こりうるケースとしてはいくつかあります。
  • 怪我
  • 急病
  • ケンカ
  • 違法行為
  • 暴動
  • 火事
  • 食中毒
不幸な火災による事故としては2016年に起きたアートイベントが記憶に新しいと思いますのであらためてご紹介させて頂きます。
5歳児死亡・神宮外苑アートイベント火災https://www.excite.co.jp/News/matome/society/M1478589325883/
あとは食に関わることもリスクが大きいです。
お台場で行われていましたフードイベントの事故も強烈なインパクトでした。
「肉フェス」でカンピロバクター食中毒 鶏肉はしっかり加熱を
来場者に提供するフードももちろんのことながら、スタッフのお弁当でも食中毒は起こりうります。
自分が関わっているイベントでも過去にあったと聞いたことがあります。

どれもイベント制作側の甘い計画、甘い管理によって起こってしまうことです。
他の項目は外部からのもらい事故的なものですが、これは完全にイベント関係者による人災です。
自分に対する戒めとしても言えることですが、このようなことが起きることの無いよう、一つ一つ丁寧に安全管理を行いましょう。


まとめ

イベントというものは生活必需品のようなマストなことではなく、生活に潤いを与えるようなプラスアルファのものであると思います。
開催できなくても日常に支障はありません。

このような出来事があると中止、中断、縮小などになるのはよく分かります。
たまに冗談めかして言われますが、まさに水もの、水商売ですね。
テレビ局の事業を行っていた知人が震災の時に「いまエンターティメントにできることはできません。」と言っていたのがすごく印象に残っています。

ただ、イベントには「日常出すことのできない力を引き出すきっかけ」という役割はあると思っています。
一瞬で終わってしまうイベントに全力で取り組む。
この儚さがむしろいいじゃないですか。

イベントちゃんねるでは開催リスクがあってもイベントを続ける皆さんを引き続き応援していきたいと思っています。