プロの映像さんに機材をお願いしたはいいが素材をどのように用意したらいいか、業界内でも意外と分かっていない人がたくさんいます。
そこで、今回は映像さんに発注する時に制作として最低限知っておかないといけないポイントについて解説します。

映像を流す仕組み
まずは映像を流す仕組みについてご説明します。
プロジェクターを使って流す場合で簡単な図を作ってみました。

図のように左から右に流れるように映像が送られていきます。
一番左の列の機材のことを「ソース」、ソースで流すもののことを「素材」と言います。
素材は通称「ネタ」「映像ネタ」とも言いますね。
ソースから送られてくる映像をスイッチャーで選び、その信号をプロジェクターに送り、プロジェクターで光とともにスクリーンに映し出すというわけです。
ソースの種類
大きくわけて3種類です。
①VTR(DVDやBDデッキ、T2などの動画再生機材)
②PC(PPT・PDF・JPEG・QTやWMPなどの動画ソフト)
③生カメ
このそれぞれの台数の合計がソースの数となります。
スイッチャーとは
スイッチャーとは複数のソースの中から一つを選ぶための機材です。
それ以外にも画角調整をするなど少し複雑な操作をする時には必ず必要な機材です。
市販のものだと「セレクター」と呼ばれる簡易なものもあります。
機材にはたくさんの種類があるので、その時の状況に応じて一番適しているものを映像さんに選んでもらいましょう。
こちらで安易に選ぶとうまくいかない場合がありますので信頼できる方にお任せしましょう。
単純にスペックだけではなく、オペレーターさんが使い慣れている機材にしたりする場合もあります。
ソースの種類数
選んでもらう際にこちらが伝えるべきことは、何ソース必要か。
スイッチャーは同時に入力できるソースの数でサイズや金額が大きく変わります。
予算がカツカツだと、価格の安い入力数に余裕のないスイッチャーを手配しなければいけません。
そうすると、急遽このPCをつなげて欲しい、という要望に答えられないことが起きてしまいます。
制作としては、発注する前に ソース数(入力数)の確認は正確に行いましょう。
その他スイッチャーには、スライダー付きやフリーズ機能、ワイプ機能などいろいろな機能がありますが、そこはまた別の機会にご紹介したいと思います。
アスペクト比
これも言葉としては聞いたことがあると思います。
アスペクト比とは映像の比率のことです。
最近LEDを使って変則的な比率も増えているとは思いますが、ほとんど16:9か4:3のどちらかですね。
「16:9」か「4:3」

最近はテレビを始め、ほとんどが16:9になりましたので16:9でいいのではと思うでしょうが、まだまだイベント機材は4:3の需要があります。
16:9と4:3はどういう基準で選ぶべきか
今の生カメの映像はほぼ100% 16:9の仕様になっています。
VTR素材(ムービー・動画)も同様に16:9の仕様がほとんどです。
映像を見る、または生カメ多く使うイベントは16:9 を選べば間違いないでしょう。
LIVEイベントは間違いなく16:9 です。

PCで作成したプレゼンデータ(PPT)はまだまだ4:3の仕様が多いです。
画面設定で「画面に合わせる」って書いていたりするのも4:3のことです。
医療系学会やセミナーなどのプレゼン発表は4:3 を選ばれるケースが多いです。

映像素材を16:9もしくは4:3のどちらかに統一できればいいのですが、大体の場合は混ざります。
そうすると映像さんから機材は16:9にしますか?4:3にしますか?と聞かれますので、その場合はこのようなポイントで判断して下さい。
①どっちの映像の方が長く使用するか?
②どっちの映像の方が重要か?
クライアントに「どうしますか?」と確認する際に、上記のポイントを踏まえて、こちらの方がおすすめです、と意見を伝えると制作もスムーズになると思います。
画角が合わない素材を使うと?
上下や左右に黒い帯が入ります。
地デジ化前後のテレビによくありましたよね。
この上下の帯のことを「レターボックス」と言います。
映像さんだと「レタボ」という言い方をする人もいますね。
(左右の帯もレターボックスと言うのでしょうか?調べて追記します。)

16:9のスクリーンに4:3の映像を流すと幅が大きすぎて左右に黒い帯が入ります。
4:3のスクリーンに16:9の映像を流すと天地が大きすぎて上下に黒い帯が入ります。
画面のサイズに合わせてズームやスクイーズ(圧縮)という方法も一時はありましたが、当然のように映像が歪むので今はほとんど見ません。
解像度
動画を使用する場合、解像度の確認は必ず行いましょう。
イベント業界ではいまだに「動画はDVDで」、という DVD神話を掲げている人がいますがこれは間違いです。
はっきり言って時代遅れです。
DVDは今ある動画を再生するものとしては一番解像度が低いです。
ディスクメディアは映像飛びのリスクもあるのでできるだけ使用しないようにしましょう。
DVDが使えないというわけではありませんが、あまりオススメしません。
大きな画面で見るとよく見ると画質の低さが目立ちます。
会場機材を使い、DVDデッキを使うしかない場合はもちろんDVDを使いますが、わざわざ持ち込みのであればDVDは選ばない方が賢明です。
以前、4Kでこだわって作った映像なんだけど、と自慢していた人に、現場用にDVDで素材を用意してくれと伝えていた場に出くわしたことがあります。
キーマンとなる制作側が不勉強でボトルネックになると全員不幸になりますね。。
さて、気を取り直してこちらの画像をご覧ください。

DVDは今流行りの4Kに対しては1/20以下のデータ量しかありません。
今のテレビのスタンダート画質のフルHDから比べても1/5程度です。
動画を用意する時はフルHD画質の素材を用意することをおすすめします。
DVDはフルHD画質は対応することができません。
そうなると、一般的にはBDとなりますが、なぜかイベントではBDデッキはあまり使用しません。
BDデッキは民生機ベースでプロ機としてはあまり普及していないのでしょうか?
映像を引き渡す際に用意するメディア
PC(PPTなど)の場合
データ量が多くないことが多いので 事前にデータを映像担当者に 送りましょう。
事前に使用するPCに入れておくと当日バタバタしないで助かります。
もしくは直前までやり取りしている場合は現場でUSBメモリで渡すが良いと思います。

その方が現場で差し替えなどがあった場合も対応がしやすいでしょう。
最近のUSB-Cの仕様には注意して下さい。
また気をつけなければいけないのがフォント。
発表データでWindowsの通常フォントでないものが使われている場合はフォントデータも一緒に入れましょう。
VTRの場合
ストレージサービスなどを利用して 事前にデータを映像担当者に 送りましょう。
自分もデータの形式は正直そこまで詳しくはないのですが、おそらく「mov.」ファイルや「mp4」のデータで渡しておけばトラブルはないと思います。
保存形式で「H264.」だったり、大きい会場だと音声の出力をこれに、など映像さんからリクエストをもらう場合もありますので、心配な場合は先にデータを送り形式を確認しましょう。
ストレージで送りきれない場合や、直前でやり取りが多く間に合わない場合は 外付けのHDD で用意しましょう。

動画の場合は便利なことに(むしろ面倒なことに・・・)再生できる機材がたくさんあります。
DVDとBDと動画データがある場合、3つの再生機材が必要となります。
無駄な機材を手配しないように、映像の 仕様は統一 しましょう!
また接続がシンプルになりますのでトラブルのリスクも下がります。
現場で突然「DVDの素材なんだけど」、と持ってこられるとデッキを持ってきていないことがあるので、事前に映像さんにどのような仕様で持ち込みます、と伝えましょう。
最近は便利な「T2」という機材があります。

T2はHDDが内蔵されていて再生管理がしやすい、いわゆるビデオプレゼンター、ビデオサーバーという機材(T2は正確にはデジタル・ディスクレコーダー)です。
VTRの数が多い場合は映像さんはみんなこれを使っています。
その機材費が確保できなくても操作の利便性を考えて持ち込まれている映像さん多いですね。
T2側のHDDに取り込む(コピーする)のに少し時間がかかります。
VTRの数が多い場合はほぼこの機材を使っていると思いますので、早めに素材を送り、先に取り込んでもらうようにお願いしましょう。
※追記
T2もリリースされてから随分経つので使ってはいるものの万能ではないというご意見も伺いました。
同様の最新機材のリリースに期待しましょう。
以上、制作会社として知っておくべき映像素材の準備の仕方についてまとめてみました。
プロの映像さんに伝えるべき情報をあらためて整理しますと、
・ソース数を正確に伝えよう
・イベントに合ったアスペクト比の機材をお願いしよう
・動画はフルHD画質のものを用意しよう
・DVDはなるべく使わないようにしよう
・VTRの動画はデータで事前に映像会社さんに送ろう
ということがポイントです。
映像さんを混乱させないように制作として最低限の映像知識を学んでおきましょう。
そこで、今回は映像さんに発注する時に制作として最低限知っておかないといけないポイントについて解説します。

映像を流す仕組み
まずは映像を流す仕組みについてご説明します。
プロジェクターを使って流す場合で簡単な図を作ってみました。

図のように左から右に流れるように映像が送られていきます。
一番左の列の機材のことを「ソース」、ソースで流すもののことを「素材」と言います。
素材は通称「ネタ」「映像ネタ」とも言いますね。
ソースから送られてくる映像をスイッチャーで選び、その信号をプロジェクターに送り、プロジェクターで光とともにスクリーンに映し出すというわけです。
ソースの種類
大きくわけて3種類です。
①VTR(DVDやBDデッキ、T2などの動画再生機材)
②PC(PPT・PDF・JPEG・QTやWMPなどの動画ソフト)
③生カメ
このそれぞれの台数の合計がソースの数となります。
スイッチャーとは
スイッチャーとは複数のソースの中から一つを選ぶための機材です。
それ以外にも画角調整をするなど少し複雑な操作をする時には必ず必要な機材です。
市販のものだと「セレクター」と呼ばれる簡易なものもあります。
機材にはたくさんの種類があるので、その時の状況に応じて一番適しているものを映像さんに選んでもらいましょう。
こちらで安易に選ぶとうまくいかない場合がありますので信頼できる方にお任せしましょう。
単純にスペックだけではなく、オペレーターさんが使い慣れている機材にしたりする場合もあります。
ソースの種類数
選んでもらう際にこちらが伝えるべきことは、何ソース必要か。
スイッチャーは同時に入力できるソースの数でサイズや金額が大きく変わります。
予算がカツカツだと、価格の安い入力数に余裕のないスイッチャーを手配しなければいけません。
そうすると、急遽このPCをつなげて欲しい、という要望に答えられないことが起きてしまいます。
制作としては、発注する前に ソース数(入力数)の確認は正確に行いましょう。
その他スイッチャーには、スライダー付きやフリーズ機能、ワイプ機能などいろいろな機能がありますが、そこはまた別の機会にご紹介したいと思います。
アスペクト比
これも言葉としては聞いたことがあると思います。
アスペクト比とは映像の比率のことです。
最近LEDを使って変則的な比率も増えているとは思いますが、ほとんど16:9か4:3のどちらかですね。
「16:9」か「4:3」

最近はテレビを始め、ほとんどが16:9になりましたので16:9でいいのではと思うでしょうが、まだまだイベント機材は4:3の需要があります。
16:9と4:3はどういう基準で選ぶべきか
今の生カメの映像はほぼ100% 16:9の仕様になっています。
VTR素材(ムービー・動画)も同様に16:9の仕様がほとんどです。
映像を見る、または生カメ多く使うイベントは16:9 を選べば間違いないでしょう。
LIVEイベントは間違いなく16:9 です。

PCで作成したプレゼンデータ(PPT)はまだまだ4:3の仕様が多いです。
画面設定で「画面に合わせる」って書いていたりするのも4:3のことです。
医療系学会やセミナーなどのプレゼン発表は4:3 を選ばれるケースが多いです。

映像素材を16:9もしくは4:3のどちらかに統一できればいいのですが、大体の場合は混ざります。
そうすると映像さんから機材は16:9にしますか?4:3にしますか?と聞かれますので、その場合はこのようなポイントで判断して下さい。
①どっちの映像の方が長く使用するか?
②どっちの映像の方が重要か?
クライアントに「どうしますか?」と確認する際に、上記のポイントを踏まえて、こちらの方がおすすめです、と意見を伝えると制作もスムーズになると思います。
画角が合わない素材を使うと?
上下や左右に黒い帯が入ります。
地デジ化前後のテレビによくありましたよね。
この上下の帯のことを「レターボックス」と言います。
映像さんだと「レタボ」という言い方をする人もいますね。
(左右の帯もレターボックスと言うのでしょうか?調べて追記します。)

16:9のスクリーンに4:3の映像を流すと幅が大きすぎて左右に黒い帯が入ります。
4:3のスクリーンに16:9の映像を流すと天地が大きすぎて上下に黒い帯が入ります。
画面のサイズに合わせてズームやスクイーズ(圧縮)という方法も一時はありましたが、当然のように映像が歪むので今はほとんど見ません。
解像度
動画を使用する場合、解像度の確認は必ず行いましょう。
イベント業界ではいまだに「動画はDVDで」、という DVD神話を掲げている人がいますがこれは間違いです。
はっきり言って時代遅れです。
DVDは今ある動画を再生するものとしては一番解像度が低いです。
ディスクメディアは映像飛びのリスクもあるのでできるだけ使用しないようにしましょう。
DVDが使えないというわけではありませんが、あまりオススメしません。
大きな画面で見るとよく見ると画質の低さが目立ちます。
会場機材を使い、DVDデッキを使うしかない場合はもちろんDVDを使いますが、わざわざ持ち込みのであればDVDは選ばない方が賢明です。
以前、4Kでこだわって作った映像なんだけど、と自慢していた人に、現場用にDVDで素材を用意してくれと伝えていた場に出くわしたことがあります。
キーマンとなる制作側が不勉強でボトルネックになると全員不幸になりますね。。
さて、気を取り直してこちらの画像をご覧ください。

DVDは今流行りの4Kに対しては1/20以下のデータ量しかありません。
今のテレビのスタンダート画質のフルHDから比べても1/5程度です。
動画を用意する時はフルHD画質の素材を用意することをおすすめします。
DVDはフルHD画質は対応することができません。
そうなると、一般的にはBDとなりますが、なぜかイベントではBDデッキはあまり使用しません。
BDデッキは民生機ベースでプロ機としてはあまり普及していないのでしょうか?
映像を引き渡す際に用意するメディア
PC(PPTなど)の場合
データ量が多くないことが多いので 事前にデータを映像担当者に 送りましょう。
事前に使用するPCに入れておくと当日バタバタしないで助かります。
もしくは直前までやり取りしている場合は現場でUSBメモリで渡すが良いと思います。

その方が現場で差し替えなどがあった場合も対応がしやすいでしょう。
最近のUSB-Cの仕様には注意して下さい。
また気をつけなければいけないのがフォント。
発表データでWindowsの通常フォントでないものが使われている場合はフォントデータも一緒に入れましょう。
VTRの場合
ストレージサービスなどを利用して 事前にデータを映像担当者に 送りましょう。
自分もデータの形式は正直そこまで詳しくはないのですが、おそらく「mov.」ファイルや「mp4」のデータで渡しておけばトラブルはないと思います。
保存形式で「H264.」だったり、大きい会場だと音声の出力をこれに、など映像さんからリクエストをもらう場合もありますので、心配な場合は先にデータを送り形式を確認しましょう。
ストレージで送りきれない場合や、直前でやり取りが多く間に合わない場合は 外付けのHDD で用意しましょう。

動画の場合は便利なことに(むしろ面倒なことに・・・)再生できる機材がたくさんあります。
DVDとBDと動画データがある場合、3つの再生機材が必要となります。
無駄な機材を手配しないように、映像の 仕様は統一 しましょう!
また接続がシンプルになりますのでトラブルのリスクも下がります。
現場で突然「DVDの素材なんだけど」、と持ってこられるとデッキを持ってきていないことがあるので、事前に映像さんにどのような仕様で持ち込みます、と伝えましょう。
最近は便利な「T2」という機材があります。

T2はHDDが内蔵されていて再生管理がしやすい、いわゆるビデオプレゼンター、ビデオサーバーという機材(T2は正確にはデジタル・ディスクレコーダー)です。
VTRの数が多い場合は映像さんはみんなこれを使っています。
その機材費が確保できなくても操作の利便性を考えて持ち込まれている映像さん多いですね。
T2側のHDDに取り込む(コピーする)のに少し時間がかかります。
VTRの数が多い場合はほぼこの機材を使っていると思いますので、早めに素材を送り、先に取り込んでもらうようにお願いしましょう。
※追記
T2もリリースされてから随分経つので使ってはいるものの万能ではないというご意見も伺いました。
同様の最新機材のリリースに期待しましょう。
以上、制作会社として知っておくべき映像素材の準備の仕方についてまとめてみました。
プロの映像さんに伝えるべき情報をあらためて整理しますと、
・ソース数を正確に伝えよう
・イベントに合ったアスペクト比の機材をお願いしよう
・動画はフルHD画質のものを用意しよう
・DVDはなるべく使わないようにしよう
・VTRの動画はデータで事前に映像会社さんに送ろう
ということがポイントです。
映像さんを混乱させないように制作として最低限の映像知識を学んでおきましょう。
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