イベント屋でなくとも最近はいろいろなシーンでプロジェクターを使うことが多いですよね。
図面上では「PJ」と書かれることも多いプロジェクター。
少し本格的なイベントになると映像会社さんが入ることも多いと思いますが、そこまでではない場合、会場に備え付けのものを使われることもありますよね。

そこで今回はプロジェクターを使う際、知っておいた方がいい知識を紹介したいと思います。
projector_tousya


プロジェクターの明るさ
computer_projector
プロジェクターはスクリーンとセットで使われます。
強い光を発し、スクリーンに映像を映し出します。


明るさの単位

良し悪しのポイントはズバリ明るさです。
明るさの強さはルーメン(lumen)であらわされ、機材のスペック表には間違いなくこれが書いてあります。
別名輝度(きど)といいます。
たまに照度(しょうど)という方もいますが同じことですので気にしないでください。
書いていない場合は機材を手配をする会社の方に聞いてみましょう。

明るさは強ければ強いほど良いのですが、その分機材が大きく高くなり、また消費電力が大きくなります。
会場や状況に合った機材を使うようにしましょう。


会場規模とプロジェクターの明るさの関係

じゃあ何が適正?って話になりますが、明るさ別にだいたいの会場サイズを分類してみました。
あくまで目安となりますが参考にしてみて下さい。

1000~4000ルーメン
 教室や会議室で使われるスペックです。
4000~7000ルーメン 100名~500名程度の会場で使われるスペックです。
7000~12000ルーメン  500名~1000名程度の会場で使われるスペックです。
12000~20000ルーメン 1000名~10000名程度の会場で使われるスペックです。


手配する際に、使用する会場と使用するプロジェクターのスペックが大きくかけ離れている場合は適正でない可能性がありますのでよく調べてみましょう。
特に会場に備え付けの場合、プロジェクターのスペックが低いことがありますので注意して下さい。


明るさが足らないと?

明るさが足らないと画面が薄く見えづらくなります。
そういう時は会場の照明を暗くしたり一部消したりして対処します。
なるべく暗い環境で映像を使うように、外光の入りづらい配置や照明の付け方で工夫しましょう。

ですが、問題はそれができない場合でかつ映像を見せる重要度が高い時は・・・
諦めましょう。
高い機材を使用するしかありません。

裏技が一つだけあります。
金額はどうしてもかかるのですが、同じプロジェクターを2台使って重ね打ちします。

通称ダブルスタック

なんかかっこいいですね。
口に出して言いたくなるイベント用語ですね。

単純に5000lumen+5000lumenで10000lumenだ、みたいなウォーズマンみたいな思考というわけにはいきません。
金額の割にはあんまり変わらなかったりするので、2台分の予算を使ってダブルスタックする人はいません。
あるのであれば予備機をやむなく使うパターンです。
どうにも困った場合は映像さんに予備機持ってきてくれていればダブルスタックを試してもらえませんか?と相談してみましょう。


DLP方式と液晶方式

プロジェクターにはこの2つの形式があります。
それがDLP方式と液晶方式。
投影方法の二つの差は明るさと色の表現です。
詳しくはこちらのサイトが分かりやすいのでこちらをご覧下さい。
http://projector-navi.com/projector-knowledge/projector%E2%88%92type.html

DLPはルーメン数は液晶と同じでも色がはっきりと出るので見やすかったりします。
液晶は安価に明るさを出すことができます。

ただ制作として選ぶ場合、2つを並べて使うわけではないので正直違いがはっきりとは分かりません。
ルーメン数を聞かれることは多いので、個人的にはどうしてもルーメン数が高くなる液晶を選んでしまいます。


プロジェクターの配置(投影方法)

先程は単純に明るさのことだけを書きましたが、配置によっては求められる機材も変わります。
配置は大きく分けて4パターンあります。


①前方

会場の一番前の近いにプロジェクターを設置します。

メリット
・近いのでスペックの低いプロジェクターでも見えやすくなります。

デメリット
・単純に邪魔です。機材自体もケーブルも電源も邪魔です。
・ステージの背面にスクリーンを設置したい場合、頭影が出てしまいます。
・角度が急になるため打ち上げとなり、ゆがみ補正をしなければいけません。
 だいたいうまくいかず端っこがややズレていたりしますね。


②後方(通称フロント打ち)

会場の一番後方に高めの台を組んでプロジェクターを乗せます。

メリット
・スクリーンとの角度が中心に近いのでゆがみづらいです。
・会場後方は邪魔になりにくくなります。
・高い台を使っているので前を通っても影が出ません。
・引き距離があるので大きな映像が出せます。

デメリット
・プロジェクターのスペックが高いスペック(高価な機材)が求められます。
・設営手間がかかり、諸費用も高くなります。

予算がある場合はだいたいこっちですね。


③天井

会場によっては天井に備え付けの場合もあります。
ホテルや会議室系はこのパターンも多いですね。

メリット
・邪魔さが解消されます。

デメリット
・吊っているので簡単に前後、左右の位置調整ができません。
・スクリーンを大きくしたい、前に移動させたい、などの要望がある場合は使えなくなってしまいます。
・打ち下ろしになるため、ゆがみ補正が必要になりますが、いつも使っている位置なので補正済みになっていることが多いです。

条件が全て合致するならメリットの多い設置方法ですね。


④背面(通称リア打ち)

リア打ちはスクリーンの後ろ側から映像を投影する配置です。
ですので、客席側にはプロジェクターは見えません。
かなり大きい会場を使う時はこのパターンが多いですね。

メリット
・客席側にプロジェクターがこないのでレイアウトがスッキリします。
・広すぎるスペースをつぶすことができます。
・スクリーン前に立っても影が出ません。

デメリット
・リア打ち用のスクリーンを使用しないといけないので機材の持ち込みが前提になります。
・バックヤードに広いスペースが必要となりますので、客席部分で使おうと思っていたスペースが使えなくなります。
・なるべく短い距離で投影するためには短焦点のレンズが必要になります。


シーンに合わせてプロジェクターの配置を考えましょう。
イベント屋が入る場合は規模が大きいイベントの場合が多いので、②のパターンが必然的に多くなります。



プロジェクター電源

電源については2つのことだけ覚えておけば良いと思います。
100Vか200Vか。

後のことは映像会社さんが対処してくれるはずです。
100Vというのは通常のコンセントで問題ありません。
200Vとなると変換や分電盤からの電気工事が必要となります。

電気は光りと温度に関しては非常に電力を使います。
プロジェクターは明るさが勝負です。
10000lumen以上のクラスとなると200V(一気にたくさんの電力を使う)仕様となることが多くなります。
総電力量の不足や電気工事作業などの別の問題が発生することがあるので、ひとつの目安として覚えておきましょう。
電気工事についてはまた別の機会でご説明します。


プロジェクターについてここまで書くと今度はスクリーンについても書きたくなりますね。
近いうちにスクリーンについてもご紹介します!