記録写真についての第3回目です。
今回は後々見て盛り上がっていていいイベントだったなぁと思わせる盛り上がっている記録写真の撮り方を中心に紹介していきたいと思います。
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シリーズリンク
記憶より記録に残すイベントの記録写真①
http://blog.livedoor.jp/morisobaya/archives/8275455.html

記憶より記録に残すイベントの記録写真②
http://blog.livedoor.jp/morisobaya/archives/8293272.html


なぜ暗い、黄色い写真になってしまうの?



①明るさ補正
だいたいのカメラは分かりやすいところにこれがついていますので、暗すぎれば明るく、明るすぎれば暗く補正をかけましょう。

暗すぎて見えない状態をツブレ、明るくて真っ白な状態を白飛びといいます。
イベントの記録写真は明るめが好まれます。
白飛びしない範囲でできるだけ明るめの設定で撮りましょう。


②シャッタースピード調整
すごーく難しいポイントなので、簡単なことだけ解説します。

暗いとシャッタースピードが落ちてブレやすくなります。
そうすると動きのあるものはまともに撮れません。
「暗い=ブレやすい」という公式を覚えておきましょう。

フラッシュをたけばいいのでは?と思うかもしれませんが、フラッシュはうまく使わないとそれこそ変な色になってしまうことがあります。

ではどうすればいいか。
「f値」というものを下げてなるべく明かりを多く取り込むようにしましょう。
ですが、同時に写真が無駄におしゃれにボケやすくもなります。
「f値を下げる=明るくなるがボケやすい」という公式も覚えておきましょう。

また「ISO感度」という設定を上げて感度を高めましょう。
そうするとシャッタースピードが上がりブレづらくなります。

どちらの設定もON/OFFではなく、数値で調整が効きますので、環境に合ったバランスの良い設定を見つけましょう。


③ホワイトバランス(色温度補正)
黄色くなるのはこれが原因です。
カメラに付いている、晴れやくもりや蛍光灯のマークがありますよね。
これはそれぞれに適した色温度の設定なんです。
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屋内の暗いおしゃれ間接照明の空間なのに「晴れ」の設定で撮ると確実に写真は黄色ばんだ写真(好意的な言い方だと温かみのある)になります。
そんな時は設定を下げて蛍光灯や豆電球マークに変えましょう。
見た目に近い色が表現できると思います。
ホワイトバランスを設定しながらいい色を見つけましょう。



盛り上がっている感を出すには

一番求められるイベントの記録写真は人がたくさんいて活気のある写真です。
そんな写真を撮るポイントをいくつかご紹介します。


①俯瞰(高めの目線)で撮る
少し高さがあるところから見下ろすように写真を撮りましょう。
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奥行きがでてすごくたくさん人がいるような写真を撮ることができます。
背の高い方は背伸び、そうでない方はカメラをファインダーから外し、手だけを伸ばして撮って下さい。

最近は角度が変わるバリアングル液晶がついているカメラもありますのでこの撮り方をしたい場合は非常に便利です。
階段上などすごく高いところから空間全体を撮るとスケール感も出せますね。

ぶっちゃけた話、こういう空間全体写真を出していないイベントは人があまり集まっていないのをごまかしている可能性もあります。
実績を調べる際は一番人が入っている俯瞰の写真を見せて下さいと伝えると一発でそのごまかしが見破れます。


②斜め下から見上げるように撮る
しゃがみこんで足元から見上げるように並び列を撮りましょう。
そうするとあら不思議。
ものすごい並んでいるように見えます。
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こんなにたくさんの方がイベントに来場しています、というメッセージを伝える時に効果的なテクニックです。


③やたら寄る
時には寄る(アップで撮る)というのも非常に効果的です。
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 経験上は
  ・ライブイベントの時のチケットのもぎりの手元
  ・会場に向かう後ろ姿
  ・会場周辺の季節感を感じさせる花(背景にイベント看板など)
  ・物販時のものを選んでいる目線
  ・物販で買ったものを見つめている顔(顔が特定できないようにやや後ろから)
  ・ステージを見つめている真剣な眼差し
  ・パーティーの料理
  ・そのイベントを象徴するツール
  ・喜んでいる子どもの笑顔
 などの写真はイベントのメッセージ性をうまく伝えることができます。

 特に「会場に向かう後ろ姿の写真」は、お客さんのモチベーションの高さを伝えることができるので、「全国からたくさんの方が続々とやってきています」という感じを伝えるのによく使っています。

この辺はイベントのテーマや特性、属性、伝えたいメッセージにより異なりますので、イベントごとに自分なりの得意技を見つけていましょう。

あまりおすすめすることではありませんが、人が少ないことを隠す効果もあります。
多用すると不審がられる可能性もありますので注意して下さい。


④ボカして撮る
これは意図的にボカして写真を撮るテクニックを身につけている場合に限ります。
ぼかすコツを簡単に言うと、

 手前と奥に距離の差があり、f値が低いとボケが発生します。

本来は撮りたい被写体を際立たせるテクニックですが、人がたくさんいるように見せるために使われたりします。
最近自分で撮った写真を使うとこんな感じです。
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手前の人にピントを合わせ、奥はぼんやりとたくさんいるように撮ると、ものすごくたくさんいるように見えます。
この写真は手前の赤いパーカーの方にピントを合わせています。
 
ステージを奥にして手前にいる人たちがたくさんいるように手前ボケ(奥のステージにピントを合わせる)というテクニックもあります。


記録写真の撮影はいろんな方が担当になる可能性がある業務です。
イベントは一回だけ、そのシーンはその時にしかありませんのでミスのできない非常に難しい業務です。
取り返しがつかないことにならないため、ポイントを押えてきっちりと必要な写真を撮りましょう!

次回は現場で記録カメラマンとして動く場合のマナーについてご紹介します。



シリーズリンク
記憶より記録に残すイベントの記録写真①
http://blog.livedoor.jp/morisobaya/archives/8275455.html

記憶より記録に残すイベントの記録写真②
http://blog.livedoor.jp/morisobaya/archives/8293272.html