イベントには謎の似ている意味合いの言葉がたくさんあります。
とても分かりづらいですよね。
このブレが簡単な話を複雑化している元凶だったりします。
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イベント会社一つとってもこんなにあります。
イベント屋、イベント会社、イベント制作会社、イベントプロデュース会社、
イベント運営会社、イベント企画会社、イベント演出会社、
イベントプロダクション、イベンター、イベントプロモーター・・・

実際の辞書的な意味は分かりませんが、
使われているシーン別に考えるとこんなところですかね。
業界内ではなんとなくの区分はありますが、実際は面倒なのでざっくりとイベント屋って
言ったりしています。

 イベント屋:イベント全般を取り扱っている会社の総称
 イベント会社:イベント全般を取り扱っている会社の総称のお上品版
 イベント制作会社:イベントの制作(事前作業的なこと)部分を行っている会社
 イベントプロデュース会社:イベントの制作部分を行っている会社のかっこいい版
 イベント制作会社:イベントの運営(受付とか誘導とか)部分を行っている会社
 イベント企画会社:イベントの企画書を書いたりする会社
 イベント演出会社:イベントの演出(舞台とかテクニカル)部分を取り仕切っている会社
 イベントプロダクション:イベント全般を取り扱っている会社の総称のかっこいい版
 イベンター:コンサートなど興行系イベントを取り扱っている会社
 コンサートプロモーター:コンサート等興行系イベントを取り扱っている会社の正式名称
 事業部:会社の中で興行系イベントやグッズ販売などを取り扱っている部署
 コンベンション会社:学会や国際会議などの会議系イベントを取り扱っている会社

整理すると
 イベント屋(=イベント会社・イベントプロダクション)の中の機能的に
 特化している会社が、
 制作会社、運営会社、企画会社、演出会社

 イベント屋(=イベント会社・イベントプロダクション)の中の職域的に(特に音楽)
 特化している会社が、
 イベンター、コンサートプロモーター、コンベンション会社
となります。

イベントを発注する時にこれの見極めを間違えると苦手な分野の仕事を無理やりやらせて
高くなるわ、段取りを悪いわで全員不幸という状態に陥ったりするので注意が必要です。


この記事ではそんな不幸な自体が起きないように、
だいたい同じ意味のもの、じつは違う意味合いのものをご紹介していきたいと思います。

 制作と製作
 制作は事前準備全般を指し、運営マニュアルや進行台本の作成、
 そのほか様々な発注ごとを行うことです。
 知らない人が多いのですが実はこれも業界差がありまして、
 コンサート業界では制作=技術スタッフの取りまとめ担当という意味合いになります。
 安易に自己紹介を行う時に制作ですと言うと誤解を招くことがあります。
 製作とはいわゆるものづくりを行う業務です。
 モニュメントを作ったり、ノベルティーを作ったり、Tシャツを作ったり、
 オリジナルのモノを作る場合に用います。

 蛍光灯とFL
 これはイベント現場では同じ意味で使われます。
 電気工事業界では厳密には違う意味の可能性はありますのでそこは必要に応じて
 確認をお願いします。

 プログラムと式次第とスケジュールとタイムテーブル
 だいたい同じ意味で使われますね。
 プログラムと式次第は進行の項目だけのもので
 スケジュールとタイムテーブルはそれを所要時間ごとに分けたものです。
 タイムテーブルは場合によってはTTとかタイテとか表現されたりもします。

 返しとモニターと転がし
 これは音響と映像の両方の意味で使われます。
 演者用のスピーカーであったり、映像のディスプレイだったりします。
 区分するために重ねて返しモニターとか表現したりする場合もあります。
 コンサート業界で仕事をする場合はほぼ100%スピーカーのことです。
 その他では話の流れ判断になります。

 ディスプレイとモニターと液晶とPDPとLEDとスクリーン
 ディスプレイとモニターはほぼ同じ意味で使われます。
 僕も特に使い分けておらず、周りの方々も混在させて話をしています。
 ですが、特にトラブルは起きたことがありません。
 液晶とPDP(=プラズマディスプレイ)はその映像機材の種類です。
 昔は大きいものはPDPでしたが、今は液晶でも大型化が進み、
 大きめのディスプレイをお願いしても、今は安価で消費電力の少ない液晶が
 出てくることがほとんどです。
 LEDは電球の球がたくさん並んでいる形式の映像システムのことです。
 スクリーンはプロジェクター投影式の映像の白い布のことです。
 スクリーンが幅を利かせていた時代が長かったため、
 LEDを使用してても「スクリーンサイズは?」という会話になっている場合があります。
 会場内で混在していなければ特に気にせず進めましょう。

 トランシーバーとシーバーとインカム
 トランシーバーとシーバーは同じものです。
 当たり前かと思うかもしれませんが、正式表記でシーバーという表記を見ることがあり、
 もしかしたら分ってない人がいるのかも?と思いました。
 アルバイトをバイトと呼ぶようなもので、あまりお行儀の良い表現ではありません。
 トランシーバーとインカムを一緒くたに表現しているケースもありますが、
 これは全く違います。
 トランシーバーは交互通信を行うワイヤレス通信設備です。
 インカムは舞台スタッフが使用する双方向性のヘッドセットタイプの通信設備です。
 インカムは正確にはインターカムですが、トランシーバーと逆にインターカムと
 言っている人には出会ったことがありません。
 大手のメーカー名のクリアカムとかクリカムとかって言ったりもします。

 機材と資材
 僕は音響照明映像の設備のことは機材と呼び、施工系の木材や壁紙などのことは
 資材と呼んでいます。
 むしろあっているか僕の方が気になりますが、今までこの使い分けで
 特にトラブルは起きていません。

 動線と導線
 もともとは建築業界の用語で動線が一般的だったようです。
 今は商業施設業界において来客を案内する上での道を導線と呼ぶようになってから
 イベント業界ではこちらの表現の方が目にしますね。
 イベント会場も商業施設のような位置づけの場合が多いからでしょうか?
 導線という表現を使って指摘されたことがあるのが土木建築業界のお仕事を
 させてもらった時だけですね。
 導線に違和感を感じる方がいるということは覚えておきましょう。

 電源とコンセントと壁コンと電源口と平行と15Aと1.5Kwと100V
 電気業界においては当然使い分けられていると思いますが、
 イベント業界においては知らない人にマウンティングするための言葉のように
 使われています。
 だいたい同じと思ってください。

 スクリーンとパーテーションとパテーションと衝立とオクタ(オクタノルム)と
 システムパネルとシスパネとヴァンテアンパネルと三つ折り

 スクリーンとパーテーションとパテーションは意味はほぼ一緒ですね。
 ニュアンスとしてはスクリーンは目隠し、パーテーション(パテーションは発音違い)は
 導線つぶしの用途かなと思っています。
 オクタとシステムパネルはほぼ同じ意味ですね。 

 レンタルとリース
 本来の意味では短期か長期かで用途が分かれるような気もしますが、
 同じように使われているかもしれません。
 なんとなくリースって言った方がかっこいい風潮はありますね。
 
 

なんかもっとたくさんあった気がしますが・・・
また思いついたら続編を書きたいと思います。