今回はよく使う進行備品をリストアップします!自分の経験上の2018年時点完全版です。これほとんど使わないけど一応・・・みたいなものまで網羅してみました。備品準備をする際にこのリストをベースに取捨選択、増減しながら準備していただくと便利だと思いますので、どうぞチェックリスト的にご使用下さい。

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使用頻度 Sランク 6選

これがないと進行の仕事が始めらないというぐらい代表的な進行備品をご紹介します!
  • バミリ用テープ
  • ペン(マジック)
  • メジャー
  • はさみ
  • カッター
  • 腕時計
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どんな進行の現場でも、進行に関わるのであれば必ず携帯していたい備品ですね。制作・運営側で持ってきているものであっても、出払ってしまうと本当に困るので自分専用のものを持ち歩くことをおすすめします。バミリ用テープは手でちぎれるビニールテープを使用する方が多いのですが、養生テープでも問題ないと思います。貼りやすく、剥がしやすく、文字が書けたり、色分けできることが重要です。腕時計はちゃんと時間を合せておきましょう!デジタルの時計の方が見やすいと思います。Apple Watchもありですね。


使用頻度 Aランク 10選

使用頻度は若干下がりますが、必ず袖には用意しておいた方がいいという備品をご紹介します!
  • スケッチブック
  • 卓上電波時計
  • バインダー
  • 養生テープ
  • セロテープ
  • 両面テープ
  • 布テープ
  • 白紙(コピー用紙)
  • 台本予備
  • USBメモリ
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このへんの備品がスッと出てくると、さすが進行ディレクター!と感じます。少し大きいものもありますので持参するほどではないものもありますが、必ず袖には用意しておきたいですね。現場に着いたら制作・運営側に準備状況を確認し、自分が使用するであろう数を舞台袖に確保、常に所在が分かる状態にしておきましょう。

スケッチブックはカンペ用です。他にも記者発表のホワイトどりや注意書きの紙貼り用に使用します。電波時計は目覚まし時計程度のサイズで時間の正確なもの。バインダーはA4サイズで黒など目立たない色が望ましいです。出演者に貸し出すこともあります。白紙は画像だと1束になっていますが、注意書きなどを貼ったり、座席札を作成するためのものでA4サイズが10枚程度もあればよいかと。USBメモリは自分はキーホルダータイプのものでUSB-AとUSB-Cがセットになっているものを愛用しています。


使用頻度 Bランク 10選

いつもというわけではありませんが、イベントの種類やシーンよってこれも持っていると助かるという備品をご紹介します!
  • 懐中電灯(ペンライト・ヘッドライト)
  • 手元明かり(ゼラ付き)
  • ストップウォッチ
  • 蓄光テープ
  • リノリウムテープ
  • メンディングテープ
  • 蛍光マーカー
  • 三角スケール
  • 黒盆(表彰盆)
  • 白手袋
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現場によっては必ず使う進行備品もありますね。用途が若干特殊なのでちょっと解説します。

進行で暗転のシーンがある場合は必ず懐中電灯の準備をしておきましょう。画像にあるようなポケットに入りやすい小型のペンライトタイプものが望ましいです。ヘッドライトを使用する時は進行上動きが多く、常に手を開けておきたい時に重宝します。コンサート系の現場ではよく見ますね。暗転中にテーブル上で作業が必要な時は手元灯りも準備をしておきましょう。カパッと開くとスイッチが入るタイプのものが一般的です。譜面灯やクリップライトタイプのものでも良いと思います。灯り漏れ防止に「ゼラ」と呼ばれる暗めのカラーフィルムをつけたりすることもあります。

ストップウォッチは映像や音楽の尺(秒数)などを確認する際に使用します。登場のタイミングを尺で覚えておくのに便利です。最近だとスマホのものでも十分代用は可能ですね。ただ、できる進行ディレクターさんはみんなストップウォッチを首から下げている気がします。

続いてテープ類。蓄光テープは暗転などの舞台が暗い時に立ち位置を確認したい際に使用します。ホタルみたいに光を溜めてボヤーッと光るテープです。リノリウムテープ(通称リノテープ)はダンスなどのパフォーマンスがある現場でバミリが剥がれないように上から被せるよう補強するために使用します。セロテープより接着が弱く幅が広くて貼って剥がしやすいです。この2つの特殊テープはちょっと高くて手に入りづらいのでご注意を。メンディングテープはちょっとした仮止めに使います。ホールにテープのノリが残らないので便利です。


使用頻度 B-ランク 8選

控室というより袖や演台周辺でたまにリクエストされるケータリング系備品。
  • ストロー
  • ペットボトルキャップ
  • グラス(コップ)
  • おしぼり
  • コースター
  • タオル
  • USB充電器
進行B-ランク
これも制作・運営マターではありますが、演者さんやMCから「これありますか?」と聞かれる場合があります。会場環境によっては持ち込む必要がないかもしれませんが、快適な袖周りライフのために使用することも多いので、念の為こちらもリストアップしておきます。

進行ではお水は500mlや350mlのものを使用します。余計な影響がないようにラベルはあらかじめ剥がしておきます。自分は昔、すぐ飲めるように封を切ってから演者に渡すと教わりましたが、封を切っておくかどうかは会社ごとに考え方があるようです。喉が締まらないように常温の方が良いとされています。

ストローは女性の演者さんが使用する際に口紅がつかないように使用します。そのお隣のペットボトルキャップはストローを挿せるタイプのものです。ホコリが入らないように飲み口をカバーするために使います。これがないと、カッターなどでキャップに小さい穴を開けます(結構手間なのであらかじめキャップを用意しておくと便利です)。グラス(コップ)は現場のホスピタリティーレベルにもよりますが、ホテルの現場ならグラス水にコースターがついてグラスにプラスチックの蓋がついていたりもします。すごい丁寧ですね。簡単なセミナーの現場ではペットボトルをそのままというのもあります。袖でMCさんが待機をする時などに、USBが充電できるコンセントがあるとすっごい親切だなと思います。

おしぼりもペラペラの紙のものから、厚手の紙、布のいわゆるおしぼりやハンドタオルを使用する場合があります。その時におしぼり受けなんかもあると丁寧ですね。講演会などを行う時には演台にセットしたりします。タオルはLIVEイベントの時に、すごく汗をかく演者さんのために用意します。演者さんが多い時はサウナや温泉の出口にあるようなドサッと山盛りにして用意しておきます。

あとは書いていませんが、ケータリングレベルをどの程度で設定するかでここはさらに種類が増えていきます。袖にドリンクやら温かいコーヒーやら着替えルームやら姿見やらメイクセットやら言い始めると、控室備品と同じセットが必要になります。控室周りはまたあらためてご紹介したいと思いますので、ここでは袖で使いそうな汎用性の高い備品だけをご紹介しました。


使用頻度 Cランク 16選

なぜか進行側に頼まれる運営、制作側で用意すべき備品をご紹介します!
  • のり
  • 修正テープ
  • クリップ(ダブルクリップ ゼムクリップ)
  • ホチキス
  • 輪ゴム
  • ビニール紐
  • 軍手
  • 電池予備
  • 穴開けパンチ
  • 工具(ドライバー・ペンチ・ニッパー)
  • ボンド
  • 電卓
  • 封筒
  • 電源タップ
  • 布巾
  • ブルーシート
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進行Cランク
進行ディレクターの常備品ではないですが、進行のでも使う可能性がある備品たちです。非常に準備意識の高い気の利く制作・運営さんであれば用意をされているかもしれませんが、結構漏れがちです。使う可能性が高いものであれば、進行ディレクターさんから準備をお願いした方が良いかもしれません。

のりや修正テープやクリップ、ホチキス、輪ゴムはいわゆる文房具類で通常の進行であればあまり使用しません。ですが、資料に修正が入って元の資料を切り貼りして整理する時に欲しくなったりします。大規模で少し長めの現場の時には用意したほうがいいかもしれません。

ビニール紐(通称PPロープ)は何かを縛ったり固定したりする時に使用します。施工さんが用意されていれば問題ありません。軍手は機材や資材の搬入撤去手伝いやちょっとした転換の際に使用します。資材なども結構トゲや釘が飛びていて危ないんですよ。工具やボンドも施工さんがいないちょっとした加工や調整を行う時に使用します。昔は現場にみんな工具セット持ってきていましたが、最近は重いのであんまり持っていかないかもしれないですね。たまに「あれ?備品でドライバーセットあったっけ?」なんて展開になったりします。

電卓は数をカウントしたり計算したりする際に使用します。クイズ大会やコンテストの集計用にも使います。スマホで代用できそうですが、人に貸し出したり、スピードが求められている時はちゃんとした電卓がある方が助かります。

布巾が結構盲点だったりします。演台やステージ上で水をこぼしたり汚れたりした時に用意していると非常に助かります。ケータリングでティッシュやウェットティッシュがあれば代用もできます。ブルーシートも結構レアケースですが、演者さんがステージ袖で衣装を着替えたり、地べたに置きたくないものを仮置きしたりする時に床に敷きます。

番外編

50選からはもれますが、えっ、こんなもの使うの?という備品をご紹介します!
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  • のこぎり
  • 布団ばさみ
  • ナンバー札(ダンス用バミリ)
  • 譜面灯
  • ドライヤー
  • クリップライト
  • 筆ペン
  • カードリング
  • マイク置きスポンジ
  • レーザーポインター
  • マウスパッド
  • 捨てパンチ
  • 紙袋
  • ハレパネ 
  • 除光液
  • ドアストッパー
  • ガンタッカー
  • ワイヤー
  • インシュロック
  • 霧吹き
  • アイロン
  • 救急セット
  • 酸素缶
えーっと、めちゃくちゃレアケースです。50選からも外れています。ですが、自分の経験上現場でリクエストされて困ったことがあったのでご紹介しておきますね。数が多いので画像は割愛します。

のこぎりは鏡開きの樽の加工調整で使いました。割れてなかったんですよね。。あとは現場で看板サイズが違ってて切って無理やりはめたこともあります。

布団ばさみは袖幕をまくり上げた状態で固定したい時にリクエストされました。んー、さすがにその発想はありませんでした。

ナンバー札はダンスのバミリ用で使用します。ダンスパフォーマンスをする時に立ち位置を示す時に使います。詳しくは 知らなきゃまずい!?イベント用語解説 ~バミる~ こちらの記事でもご紹介していますので併せてご覧ください。

譜面灯はオーケストラで暗転などの演出を行う際に使います。電源をとらずに電池式でクリップ付けできる軽量なものもありますので現場に合うものを探してみて下さい。

ドライヤーは袖で急遽乾かしたい時やヘアメイクを行いたい時に使用します。まぁ普通持ってきてないですよね。プロのメイクさんいればメイクさん持ち込みですし。

クリップライトも展示用ではなく袖灯り用として使用しました。手元灯りのように卓上ではなく少し上から全体的に明るくしたいという時用ですね。エリアが広い時はちゃんと照明さんに袖灯りをお願いしましょう。

筆ペンは表彰状の名前を追記する時や目録にお品書きをする時に使いました。いわゆる筆耕という作業です。まぁ用意はしていないのでコンビニに走りますよね。

カードリング!つい最近慌てたやつです。分かりづらいのでこれだけ画像も載せます。
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進行によってはMCも司会台がなく、立ちでトークをしないといけない場合があります。その際に受験生の単語帳のようにめくりやすい台本を作るんですね。その時にパンチで右上に穴を開けてリングで固定します。そのリングが壊れてしまって・・・という場面があって、探すのに苦労しました。正式名称はカードリングと言います。

マイク置きスポンジは基本音響さんにお願いすると用意していただけます。ワイヤレスマイクを演台などに置いた時に「ゴトッ」と音がならないための備品ですね。ない場合は、タオルなどでも代用は可能です。

レーザーポインターマウスパッドは講演系の現場の時に使用します。映像さんが持っていきていなかった場合にお願いされたりします。

捨てパンチはこちらは着替えをするときの足場として使用します。演者さんによっては加工だけではなく足場もケアして欲しいとリクエストされます。

紙袋。これは表彰の時の表彰物を入れるものです。2点以上のものをお渡しする際には必ず用意しましょう。だいたい表彰物とセットで納品されてきますが、ごくまれに気が利かなかったり、数が足らなかったりしますのでご注意を。

ハレパネはステージ上で小物を紹介する時に土台として使いたいというリクエストでした。持ってて良かったハレパネ。なかったらダンボールになってたかも。

除光液なんてなにで使うの?と思うかもしれませんが、テープやシールをキレイに剥がす時に使います。表彰の展示用に一旦箱から出して飾り、その後また箱詰めして、なんて時にシールが微妙に汚くなりそうな時に使います。またステージ上で使用する備品の値札をきれいに剥がしたい時にも使います。

ドアストッパーは文字通りドアを開いた状態で固定するものです。袖がそのまま控室などの通路と直結している場合、出入りしやすいように扉をあけっぱなしにしつつ、原反などで灯り漏れを防ぐという使い方をします。

ガンタッカー。これは施工さんが持っていなかった場合のものですね。大きなホチキスと考えて下さい。パンチカーペットが浮いていたりする時に固定で打ち付けるために使います。大体はテープでやっちゃいますけどね。ワイヤーも固定するためのものです。PPロープではなく、縛らなくとも位置を固定したい時に使いました。インシュロックも固定用ですね。バナーを付けた時に使った気がします。

霧吹きアイロンは実は意外と使います。表彰の時のテーブルクロスがシワシワで伸ばしたい時、ジョーゼットがシワッシワの時にシュッシュとしておくと翌日にはストーンと真っ直ぐになります。気の利く施工さんがたまに持っているんですけどね。アイロンは演者さんの衣装を急遽アイロンがけしたい時に使いました。

救急セット。何があるかわからないですからね。袖に必要なぐらいの緊急事態はほとんど起こらないかもしれませんが、相撲の女性救命活動に見る進行トラブルの対処 こちらの記事にもあるように何があるか分かりません。控室や施設の事務室などに用意されているかの確認ぐらいはした方がいいかもしれません。酸素缶は実際に2度ほど使ったことがあります。音楽フェスイベントの際に演者がパフォーマンス中に酸欠になって酸素缶をリクエストされました。医務室にあったので事なきを得たのですが、きゅうに言われてもそれは出てこないですね。。



というように、進行といえども袖ではいろいろな備品が必要となります。優先順位は現場によって変わりますが、だいたいこのリストにあるものから選んでいけばほぼ間違いないと思います。

是非現場前にチョロっと目を通して頂き、備品の最終チェックにお役立て下さい。

進行以外にも、控室備品リスト、ケータリング備品リスト、受付備品リスト、本部備品リスト、リース備品リストなどもご紹介したいと思いますのでお楽しみに。それでは今回はこのへんで。