よほどのことがない限り自分は制作資料はモノクロで作成します。他の現場で台本やマニュアルをもらう時、ぼちぼちの確率でカラー資料を見るのですがあれってどうなんでしょう?
たしかに見栄えがよくカッコいいかもしれませんが、個人的にはここではカッコよさは必要ないんじゃない?なんて思ったりします。マニュアルなどの資料全般についてですが、特に台本のカラー化はあまり意味がないのではと感じます。
今回は一般論の解説ではなく自分の制作としての持論をお伝えしたいと思います。
2.情報量が多くむしろ見づらい
3.作成手間がかかる
4.取りまわしが面倒
5.結局現場ではカラーで見れない
これは従業員視点ではあまり気にしていないと思いますが、経営者視点ではものすごい気になります。カラー印刷って高いんです。通常カラー印刷はモノクロ印刷の約5倍ほどかかります。
大体の会社がコピー機の保守契約をしていると思いますが、保守契約には機材のメンテナンス、トナー代などが含まれています。この保守契約の金額が一定ではなく使用数に応じてになってくるのですが(最低金額はあります)、それがだいたいモノクロで4~7円程度で会社の契約形態によってことなります。うちの会社ではたしかモノクロ6円、カラー30円契約だったと思います。それにコピー用紙代が加わります。
仮に50ページの台本を30部印刷するとして、モノクロの場合が6円×50P×30部=9,000円。カラーの場合が30円×50P×30部=45,000円です。全然違います。大きい現場では30部では足らず、50部、100部とかなりの印刷を行います。年間で考えるとものすごい差ですよね。
毎回の打合せのたびに、また現場で予備を含めて大量にカラー印刷をしているそこのあなた。毎回見えない経費で会社の負担をたくさんかけていることをぜひ認識して下さい。
自分は漫画をよく読むのですが、漫画はほとんどがモノクロで作られていませんか?カラー版も読み比べたことがあるのですが、逆にごちゃついてあまり頭に入ってきませんでした。漫画に限らず、新聞、小説などなど、文字を中心に見るものはそこまでカラーで作成されていません。案外そんなものなのです。そう考えると、漫画のスクリーントーンってすごい発明ですよね。
あと台本は自分なりのメモを色ペンで書き込むことを前提に使用することが多いです。追加の情報や現場で変わった変更事項、追加事項、きっかけなどを自分なりの表現で書き込みます。その際にベースの色はモノクロで注意点を赤などの色で表現することでレイヤーが分かれ、非常に見やすくなります。カラーの場合、あらかじめ色で分かれているとむしろ見づらくなってしまいます。
感覚的にですが、多くて2色ぐらいが読みやすい限界なのではないでしょうか。もちろんカラーで作った方が見やすい資料もありますが、本当にそうかどうか作成する時に一度考えてみることをおすすめします。自分はページ数が多いものや打合せで赤入れをしながら使いたい資料はモノクロ、大判で1枚に情報を詰め込みたいポスターやイメージを伝えたい企画書などはカラーと使い分けています。
カラー資料は見た目はいいのですが、制作的には正直作るのが結構面倒なんですよね。。仕事なんで面倒と言ってはいけないのですが、色を選んだり、色味を統一したり、色の系統を整理したり、グラデーションの色の組み合わせを考えたり、画像や写真の色を補正したりなど。モノクロでは悩まなかったポイントが結構出てきます。
たくさんのページ数の資料を作成する際、書類内のローカルルールが増えてきて案外それを統一するのが面倒になってきます。15ページ以内ならそれでもあまり気にならないのですが、それ以上となるとそのローカルルールを整理しておかないとどんどん資料がごちゃついて見づらくなってきます。
モノクロであっても、見出しにはこの文字の大きさ、太さ、フォント、囲い、線の太さ、マークなどを統一するだけでも一苦労です。それにカラー要素が加わるとまあ大変。気の利いた見やすいカラーリングで統一していくとなると1.5~2倍ぐらい労力が必要になる気がします。
ちょっと分かりづらいと思いますが、クライアントイベントを制作された経験がある方なら、「あー!あるある」と共感していただけると思います。カラーが経費がかかるということを認識している場合、できるだけカラーの部数を減らそうとクライアント用はカラー、スタッフ用はモノクロと数をコントロールします。結果、カラー、モノクロの両方が混在し、変な気の使い方が発生します。代理店さんなどによく言われるのですが、「こっちのカラーはクライアント用ね」とか、クライアントに「カラーでなくてすみません」と言いながら渡したりする方が結構います。
そのため、くだらない作業、悩みが増えます。「カラー何部?モノクロ何部にする?」、「こっちはクライアント用でこっちがスタッフ用」、「タレント用はどっちにする?」、「モノクロがなくなっちゃったけどクライアント用の使っていいかな?」とか。これらを解決する画期的なソリューションがそもそもカラーで作らない!だったりします。ほんと無駄に表紙のクライアントロゴだけカラーなのでカラーで出力するとかやめた方がいいですよ。ただでさえ慌ただしいイベント業務、無駄なキャッチボールを減らすために、無駄なカラー化より中身の精度を上げることにリソースを使いましょう!
進行台本を使う環境はおしなべて暗いんです。明かり漏れ防止のために袖や卓周りでは電球色の薄っすらの袖明かりや手元明かり、懐中電灯。カラーで作っても結局はモノクロ的に見えてしまうんです。カラーで淡い色を使われるとコントラスト的に見えないんです。使う人の気持ちを考えるならば台本は必然的にモノクロになっていくと思います。
鉄拳風味でお届けします。
「表紙のロゴだけカラーだ」
「カラーで印刷しないと意味をなさない」
「赤入れが目立たないほどカラフル」
「規則性が分かりづらく他人が修正できない」
「カラーパレットにもない変な色を使っている(結果ダサいデフォルトグリーンに変換される)」
またどうしてもカラーでないと表現しきれないという場合はあるかもしれませんが、経験上10%以下でかなりのレアケースだと思います。カラーで作るにしても、モノクロで出力しても分かるようにしましょう。白抜きにするときは背景は濃い色を使う、文字色は黄色系を使わないなど、コントラスト(対比)の強いカラーリングにしましょう。最もそれを気にしながら作るとさらに面倒ですが・・・
モバイル機器で見ること前提に考えますと、コストがかかるというポイントはデメリットではなくなってきます。当然カラーのみで作ればモノクロと混在しないので取りまわしもシンプルになります。見やすさも色数を絞ったりレイアウトを工夫することで、むしろ見やすく作れる可能性は秘めています。手間はPC性能の向上によりかなり軽減されてきていますよね。
そうなるのはまだ先の時代だと思いますので、当面はモノクロ派のつもりですが、自分もカラー派になる可能性は十分に考えられます。イベント業も技術革新により過渡期を迎えていますね。またその時が来たら、その時の自分の考えをまとめてみたいと思います。
それでは今回はこのへんで。
たしかに見栄えがよくカッコいいかもしれませんが、個人的にはここではカッコよさは必要ないんじゃない?なんて思ったりします。マニュアルなどの資料全般についてですが、特に台本のカラー化はあまり意味がないのではと感じます。
今回は一般論の解説ではなく自分の制作としての持論をお伝えしたいと思います。
進行台本をカラーで作らない5つの理由
1.経費がかかる2.情報量が多くむしろ見づらい
3.作成手間がかかる
4.取りまわしが面倒
5.結局現場ではカラーで見れない
1.経費がかかる
これは従業員視点ではあまり気にしていないと思いますが、経営者視点ではものすごい気になります。カラー印刷って高いんです。通常カラー印刷はモノクロ印刷の約5倍ほどかかります。
大体の会社がコピー機の保守契約をしていると思いますが、保守契約には機材のメンテナンス、トナー代などが含まれています。この保守契約の金額が一定ではなく使用数に応じてになってくるのですが(最低金額はあります)、それがだいたいモノクロで4~7円程度で会社の契約形態によってことなります。うちの会社ではたしかモノクロ6円、カラー30円契約だったと思います。それにコピー用紙代が加わります。
仮に50ページの台本を30部印刷するとして、モノクロの場合が6円×50P×30部=9,000円。カラーの場合が30円×50P×30部=45,000円です。全然違います。大きい現場では30部では足らず、50部、100部とかなりの印刷を行います。年間で考えるとものすごい差ですよね。
毎回の打合せのたびに、また現場で予備を含めて大量にカラー印刷をしているそこのあなた。毎回見えない経費で会社の負担をたくさんかけていることをぜひ認識して下さい。
2.情報量が多くむしろ見づらい
資料内で色分けをすることで表現できることは確かに増えると思います。音響関係はこの色、照明関係はこの色、映像はこの色、部隊の動きはこの色など使い分けがたくさんできます。見る側としては自分の関係した色の部分だけを見ればいいので分かりやすい!と思っている方が多いかもしれませんが、果たして本当にそうでしょうか?自分は漫画をよく読むのですが、漫画はほとんどがモノクロで作られていませんか?カラー版も読み比べたことがあるのですが、逆にごちゃついてあまり頭に入ってきませんでした。漫画に限らず、新聞、小説などなど、文字を中心に見るものはそこまでカラーで作成されていません。案外そんなものなのです。そう考えると、漫画のスクリーントーンってすごい発明ですよね。
あと台本は自分なりのメモを色ペンで書き込むことを前提に使用することが多いです。追加の情報や現場で変わった変更事項、追加事項、きっかけなどを自分なりの表現で書き込みます。その際にベースの色はモノクロで注意点を赤などの色で表現することでレイヤーが分かれ、非常に見やすくなります。カラーの場合、あらかじめ色で分かれているとむしろ見づらくなってしまいます。
感覚的にですが、多くて2色ぐらいが読みやすい限界なのではないでしょうか。もちろんカラーで作った方が見やすい資料もありますが、本当にそうかどうか作成する時に一度考えてみることをおすすめします。自分はページ数が多いものや打合せで赤入れをしながら使いたい資料はモノクロ、大判で1枚に情報を詰め込みたいポスターやイメージを伝えたい企画書などはカラーと使い分けています。
3.作成手間がかかる
カラー資料は見た目はいいのですが、制作的には正直作るのが結構面倒なんですよね。。仕事なんで面倒と言ってはいけないのですが、色を選んだり、色味を統一したり、色の系統を整理したり、グラデーションの色の組み合わせを考えたり、画像や写真の色を補正したりなど。モノクロでは悩まなかったポイントが結構出てきます。
たくさんのページ数の資料を作成する際、書類内のローカルルールが増えてきて案外それを統一するのが面倒になってきます。15ページ以内ならそれでもあまり気にならないのですが、それ以上となるとそのローカルルールを整理しておかないとどんどん資料がごちゃついて見づらくなってきます。
モノクロであっても、見出しにはこの文字の大きさ、太さ、フォント、囲い、線の太さ、マークなどを統一するだけでも一苦労です。それにカラー要素が加わるとまあ大変。気の利いた見やすいカラーリングで統一していくとなると1.5~2倍ぐらい労力が必要になる気がします。
4.取りまわしが面倒
ちょっと分かりづらいと思いますが、クライアントイベントを制作された経験がある方なら、「あー!あるある」と共感していただけると思います。カラーが経費がかかるということを認識している場合、できるだけカラーの部数を減らそうとクライアント用はカラー、スタッフ用はモノクロと数をコントロールします。結果、カラー、モノクロの両方が混在し、変な気の使い方が発生します。代理店さんなどによく言われるのですが、「こっちのカラーはクライアント用ね」とか、クライアントに「カラーでなくてすみません」と言いながら渡したりする方が結構います。
そのため、くだらない作業、悩みが増えます。「カラー何部?モノクロ何部にする?」、「こっちはクライアント用でこっちがスタッフ用」、「タレント用はどっちにする?」、「モノクロがなくなっちゃったけどクライアント用の使っていいかな?」とか。これらを解決する画期的なソリューションがそもそもカラーで作らない!だったりします。ほんと無駄に表紙のクライアントロゴだけカラーなのでカラーで出力するとかやめた方がいいですよ。ただでさえ慌ただしいイベント業務、無駄なキャッチボールを減らすために、無駄なカラー化より中身の精度を上げることにリソースを使いましょう!
5.結局現場ではカラーで見れない
進行台本を使う環境はおしなべて暗いんです。明かり漏れ防止のために袖や卓周りでは電球色の薄っすらの袖明かりや手元明かり、懐中電灯。カラーで作っても結局はモノクロ的に見えてしまうんです。カラーで淡い色を使われるとコントラスト的に見えないんです。使う人の気持ちを考えるならば台本は必然的にモノクロになっていくと思います。
こんなカラー書類は嫌だ!
鉄拳風味でお届けします。
「表紙のロゴだけカラーだ」
「カラーで印刷しないと意味をなさない」
「赤入れが目立たないほどカラフル」
「規則性が分かりづらく他人が修正できない」
「カラーパレットにもない変な色を使っている(結果ダサいデフォルトグリーンに変換される)」
じゃどんな資料ならいいの?
台本、マニュアルはよほどのことがない限りモノクロで作りましょう!コスト、分かりやすさ、手間、取りまわしと総合的に考えてモノクロのメリット方が圧倒的に多いと思います。よりこのイベントちゃんねるをご覧の賢明な方々は是非そうして頂きたいです!またどうしてもカラーでないと表現しきれないという場合はあるかもしれませんが、経験上10%以下でかなりのレアケースだと思います。カラーで作るにしても、モノクロで出力しても分かるようにしましょう。白抜きにするときは背景は濃い色を使う、文字色は黄色系を使わないなど、コントラスト(対比)の強いカラーリングにしましょう。最もそれを気にしながら作るとさらに面倒ですが・・・
モノクロ派の自分も今後は変わるかも
散々カラー派をこき下ろしつつ、モノクロがいいと言った後に恐縮ですが、今後はカラーで作った方がいい場面が増えるかもと思っています。それは出力を前提としない資料が増えるからです。2018年11月時点ですが、新型iPadが登場し、タブレット端末やスマホの大型化によりあまり紙を使わなくなってきました。実際、マニュアルなんかはスマホで見た方が携帯性が高く便利なこともあります。モバイル機器で見ること前提に考えますと、コストがかかるというポイントはデメリットではなくなってきます。当然カラーのみで作ればモノクロと混在しないので取りまわしもシンプルになります。見やすさも色数を絞ったりレイアウトを工夫することで、むしろ見やすく作れる可能性は秘めています。手間はPC性能の向上によりかなり軽減されてきていますよね。
そうなるのはまだ先の時代だと思いますので、当面はモノクロ派のつもりですが、自分もカラー派になる可能性は十分に考えられます。イベント業も技術革新により過渡期を迎えていますね。またその時が来たら、その時の自分の考えをまとめてみたいと思います。
それでは今回はこのへんで。
コメント