東京オリンピックのボランティア項目の1~10まである活動内容について解説 第九弾、最終回です。最後は「10.式典」についてです。
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東京オリンピックボランティアとは

途中から読みはじめた人のために繰り返しになりますが、そもそも一体どんなことをするのでしょうか?まずはその特設サイトをご紹介します。こちらですね → 東京2020大会ボランティア特設サイト 活動分野・内容 
大会ボランティアは、競技が行われる会場や選手の生活ベースとなる選手村、その他大会関連施設等で、観客サービスや競技運営のサポート、メディアのサポート等、大会運営に直接携わる活動をします。
単一のポジションではなく、いろんなジャンルがあるよ、ということですね。
そしてそのジャンルとは(リンクは解説記事)
  1. 指定なし
  2. 案内
  3. 競技
  4. 移動サポート(運転等)
  5. アテンド
  6. 運営サポート
  7. ヘルスケア
  8. テクノロジー
  9. メディア
  10. 式典
の10種類。ひとつ指定なしなので実質9種類ですね。


「10.式典」

各競技の表彰式において、選手や大会関係者の案内を行います。また、メダル・記念品の運搬等を含めた表彰式運営のサポートも行います。
割とシンプルな説明ですね。それだけにいろいろなことが想像できそうです。読み解いていきましょう。

「各競技の」ということは都心部に限らずいろいろな会場で出番があるということですね。そして「表彰式」とありますが、これも分かりやすいですね。各競技で成績優秀者を称える式典が開催され、その時だけのお手伝いということですね。
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「選手や大会関係者の案内」
とのことですが、これは少しいろいろな意味が想像できます。案内というのは表彰式会場、ステージ上の立ち位置、待機する控室、待機するスペースなどが考えられます。これは地味に難しいかもしれません。一度も行ったことない会場の場所を案内するのって結構大変ですよ。早めに会場に行って、その場所を実際に歩いてみて、位置関係を確認する必要があります。また時間帯によっては歩けない場所を案内しなければいけないので、慣れていないとやや難しい気がします。またステージ上の立ち位置へ案内するのはリハーサル必須ですね。どうやら本番時間以外もお仕事がありそうです。
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そしてそして「メダル・記念品の運搬等を含めた表彰式運営のサポート」・・・ だいぶぼんやりしています。ひとつずつ行きましょう。

「メダル」はいいですよね。「記念品」はどんなものがあるんでしょう?オリンピックでもトロフィーとか盾とかがもらえるのでしょうか?これはちょっと調べてみないと分かりませんが、非常に慎重に取り扱わないといけない1点ものということは分かります。そして、イベント屋的な考察を加えますと、表彰物というものはすべからく大層なケースに守られています。それと独特の構造、使用方法になっています。それを取り扱うということですね。ふむふむ。
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これらを取り扱うときにはまずは納品の段階で確認が必要です。どのような形状か、持ち方、パーツや箱などの等付属品がちゃんと揃っているか、傷はないか、表記は間違っていないかなどです。ディレクターさんがいればディレクターさんのお仕事なんですが、いなければこのサポート業務に含まれるかもしれません。

続いて「運搬」とありますが、運搬とはどんな意味でしょう?予想でしかないのですが、表彰物は場所は移動する際に結構気を使います。納品された場所から控室、表彰式会場へと運搬します。そして表彰式会場で贈呈者に正しい表彰物を渡しやすいように向きなどを揃えて手渡すというすごく緊張する業務も含まれていると考えて良いでしょう。

「等」にはどんな意味が含まれるのでしょう?経験則から言いますと、まず使用できるように準備が必要になります。準備とはその表彰物を表彰式で使いやすいようにセッティングすることです。贈呈しやすいように順番に並べたり、箱から開けたり、不要なものを別の場所に移したり、必要なものを表彰盆に設置したりします。

そして管理も必要です。管理とは数が正しい(過不足ない)か、必要な種類数が正しいか、正しい人に贈呈できたかなどをまとめる作業です。ないとは思いますが、優勝者に銅メダルを渡してしまうなんてトラブルはあってはならないですよね。

「を含めた表彰式運営のサポート」とどうとでも解釈できそうな言葉で締めくくられています。表彰式の運営(進行では?)というのは主に先程ご説明した登壇者の案内、表彰物の取り扱いを指すと思いますので、ディレクター的な方の指示のもと、これらの業務のサポートを行うということですね。


「10.式典」の活動内容の難易度

難易度自体はそれほど高くないと思いますが、緊張感のあるお仕事ではありますね。表彰式の式典に実際に登場する可能性がある業務。また絶対に間違えてはいけない表彰物の取り扱い。マストではなくベターの領域かもしれませんが、人前に出るにふさわしい立ち振る舞い。表彰式という式典の慣習、ルールの把握。などなど、他のカテゴリーにはないまた独特の難しさはあると思います。

ただし、これをできる人がいないかと聞かれますと、イベント業界で経験のある人は結構います。簡素なものまで含めれば、日本各地いろいろなところで年がら年中表彰式自体はやっているので人材はいないわけではありません。イベント業ではいわゆるコンパニオン業の一つとされています。また元キャビンアテンダントさんやホテルスタッフさんなども適正がある方は多いのではないでしょうか。

さらに言いますと、他のカテゴリーと大きく違うところがあります。それは、英語を話さなくても良い、本当に簡単な英語力でも対応できるという点です。選手や関係者の案内には本当に簡単な英語はあった方が良いかもしれませんが、表彰物の取り扱い時には表記の違いが分かる程度でも問題ないのではと思います。

候補対象者が多い、英語力が求められない、研修でも身に着けやすい能力、募集人数の少なさ(1,000~2,000人)という点などを総合的に考えると難易度は低い方と言っても良いでしょう。また表彰式に参加する選手=スター選手との接点があるかも、また記録に映り込む=目立てる、ということでやりたい人は多いかもしれないですね。


「10.式典」について解説してみましたが、いかがでしょうか?

これで全てのカテゴリーの解説が終わりました。どのボランティアに参加しようか悩んでいる人は是非この参考にしてみて下さい。言い訳になってしまいますが、この記事を書いている時点(2018年9月~10月)ではまだ情報があまり開示されていませんので、後から見たら的はずれな考察もあるかもしれませんが、それはどうぞご容赦下さい。

また機会がありましたら、追記、もしくは新規で記事をまとめてみたいと思います!