東京オリンピックのボランティア項目の1~10まである活動内容について解説 第八弾です。今回は「9.メディア」についてです。

どのボランティアに参加しようか悩んでいる人は是非この参考にしてみて下さい。この記事を書いている時点(2018年9月~10月)ではまだ情報があまり開示されていませんので、後から見たら的はずれな考察もあるかもしれませんが、それはどうぞご容赦下さい。
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東京オリンピックボランティアとは

途中から読みはじめた人のために繰り返しになりますが、そもそも一体どんなことをするのでしょうか?まずはその特設サイトをご紹介します。こちらですね → 東京2020大会ボランティア特設サイト 活動分野・内容 
大会ボランティアは、競技が行われる会場や選手の生活ベースとなる選手村、その他大会関連施設等で、観客サービスや競技運営のサポート、メディアのサポート等、大会運営に直接携わる活動をします。
単一のポジションではなく、いろんなジャンルがあるよ、ということですね。
そしてそのジャンルとは(リンクは解説記事)
  1. 指定なし
  2. 案内
  3. 競技
  4. 移動サポート(運転等)
  5. アテンド
  6. 運営サポート
  7. ヘルスケア
  8. テクノロジー
  9. メディア
  10. 式典
の10種類。ひとつ指定なしなので実質9種類ですね。今回は「9.メディア」ついて見ていきましょう!


「9.メディア」

国内外のメディアが円滑に取材できるよう、様々なサポートを行います。例えば、記者やフォトグラファーの取材の管理サポート等のほか、記者会見をスムーズに行うための準備・運営サポート等を行います。また、東京2020大会を記録するための記録用写真、動画の編集サポートや選手村の新聞制作のサポートを行います。
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いきなり来ました「国内外」というワード。これはやはり英語が求められる可能性がある項目ですね。国内というのもありますので、マストではないですがあったほうが良いポジション、ないと困るポジションもありそうですね。

続いて、例えばということで具体例も示してくれています。読み進めましょう。

「記者やフォトグラファー」というのは分かりますね。きっと新聞や雑誌、WEBメディアなどの記者やカメラマンということでしょう。「・・・の取材の管理サポート」!? なんですかねこれ。取材のサポートではなく、その管理のサポート?って言葉の意味がよく分かりません。頑張って解釈するならば、取材の管理という業務がまずあるってことですね。経験上で考えますと、取材者のリストづくりやそのPASS管理、撮影時間の申請受付、撮影場所の案内、取材順の整理、素材の提供整理、掲載後の露出確認などなどがPR会社さんがよくやられている管理業務になると思います。そのサポートということですね。ある程度の業界経験がないと正直言葉の意味自体が分からないでしょう。そして対象となる記者やフォトグラファーは外国人の可能性も高いです。これも英語ができることが望ましい。。

文章はまだ続きます。「記者会見」とあります。
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選手や監督などの関係者の記者会見はおそらく会場のいたるところで行われるでしょう。これはいわゆるプレス発表会で、ちゃんと場所を用意してプレスが集まり一斉に取材を行うというイベントです。

その「準備、運営サポート」を行うそうです。うーん、これも記者発表という空間自体が業界関係者しか入れない空間なので、いきなり準備運営サポートと言われてもちょっと不安ですね。これも経験上の憶測で恐縮ですが、プレスの受付、プレスの取材位置や順番案内、取材位置案内、撮影ルール案内、電源用意、撮影場所設営(イス並べや撮影台組み立てなど)、プレスパス腕章用意などなどが予想されます。受付や設営はできそうですね。ですが、他はディレクションをしてもらえれば対応できることはありそうですが、やはり未経験者は不安を感じる業務かもしれません。

そしてまだ続きます。「記録用写真、動画の編集サポート」むむむ。いきなりストレートな専門業務。これはプレス向けのというより公式素材の対応ということと思われます。写真で言えば、その素材をレタッチ(トリミングや明度や色彩調整)をしたりするということですね。動画で言えば、その素材の不要部分のカットやテロップワーク、ダイジェスト編集などがメインでしょうか。PC操作がマストになりそうですね。

あと残った記載は「選手村の新聞制作」!?
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これはどういうことなんでしょうか。自分が不勉強なだけかもしれませんが、なにやら選手村新聞というものが存在する気配です。聞いたことはありませんが。内容を想像するに、大会結果の速報などがまとまったものでしょう。公式新聞ということですね。業務としては新聞を作るとなるといろいろなことがありそうですが、記事のライティング、写真の選定、デザイン、記事スペースの割当、記事内容の裏取りなどが考えられます。ボランティアスタッフはそのサポートにあたるので、関係者への記事内容の正誤確認、入稿素材の整理、写真の素材データ管理などになるかと。一つ忘れてはいけないのが、これおそらく英語でも作りますよね。これも英語が求められるシーンは多そうです。


「9.メディア」の活動内容の難易度

これ難易度高いですね~ 業務自体も業界特有のルールのもとに行われることが多いので、非常に経験が重要になる気がします。事前の研修で得た知識だけでは対応しきれないことが多そうです。

そもそもそのようなことを専門に行うPR会社というジャンルが存在するぐらいですから当然簡単ではありません。業務を分解して簡単な部分だけサポートという点では分かりますが、そうすると必然的に求められる人数が増え、非常に対応自体が煩雑になりかねません。繊細な未発表情報などを取り扱うので、自分が制作側だとしたら選手やメディアと接触する人間の数は最小限にして少数精鋭で望みたいですね。

正直経験無しでお手伝いできるポストは多くないと思いますので、ボランティアではなく、PR会社に委託してそこ経由で管理されたスタッフで構成してみてはどうでしょうか。と思ったりもします。それぐらいボランティアでできる人を探すのが難しそうです。

またPCスキルなども必要なポジションもあります。ちなみにスチール写真の取り扱いは趣味カメラマンさんなどが結構いますので、ぼちぼち存在としてはいるかもしれません。ただ動画の編集サポートは難しそうですね。おそらくプロユースのソフトを使用するので、子どもの運動会映像を編集するようなお父さん編集マンでは大変そうです。しいて挙げるのであれば、映像系の専門学校などの学生さんでしょうか。素材整理だけならデスクワークをしている人ならなんとかなりそうですが、どのレベルまで求められるんでしょうか。

そして新聞制作。これをまともに戦力になる人を探すとなると編集プロダクションや雑誌やWEBメディアの編集マン。すごく仕事っぽい内容なので無償で行ってくれる人を探すのは結構大変かと思います。

またかなりのポジションで求められる英語。上記をできる人であり、かつ英語ができる人を探すというのはめちゃくちゃ大変かと思います。研修で補える英語力もたかが知れているでしょう。

ということで、すべてのジャンルの中でも屈指の難易度ではないかと思っています。2000~4000人募集というのは現実的には難しいでしょう。ということで、組織委員会の方は早く関係会社に相談してもらった方がいいでしょう。


「9.メディア」について解説してみましたが、いかがでしょうか?内容的に難しそうだったのでちょっと手厳しい意見になってしまいました。

では今回はこのへんで。次は「10.式典」について解説したいと思います。