シリーズ化しました用語解説ですが、第二弾はバミる。たまにテレビとかでも出てきますのでどういうことかはだいたいご存知の方も多いと思います。今回はバミること自体の解説と、一般的なバミり方について解説したいと思います。
バミるの語源は「場を見る」という言葉から来ていると言われています。いつからカタカナで書かれるようになったかは不明ですが、イベント業界、舞台業界、テレビ業界ではこの画像にあるようなテープで示した目印のことをバミリと呼びます。バミリは名詞です。この印をつける作業のことを動詞っぽく「る」をつけてバミると言います。
舞台進行に少しでも関わったことがあればご存知の割と有名な専門用語です。このバミリにはいろんな用途があります。これからそのあたりも解説したいと思います。
ちなみにステージ以外で大型の設置物の配置を示す場合は「墨出し(すみだし)」呼んだりします。墨出しについてはまた別の機会でご紹介するとして、今回はバミリなので本題に戻ります。
バミリにはいくつかの意味があるのですが、誰が何のために使っているかその目的を箇条書きでまとめてみたいと思います。
純粋に位置の目印としての機能です。人でも物でもです。舞台では位置に意味があります。以前記事でまとめました上手、下手もそうですね。それとセンターはやはり特別な意味があります。舞台は広いのでそれ以外にもさらに細分化されて位置が定められています。その位置が毎回違うと気持ち悪いのでその位置に人や物を適切に配置するためにバミリを使用します。
✕マークやTマーク、-などが多いですかね。分かりやすければどちらでも良いと思います。スタッフ用は目立たないように小さく目立たない色で、慣れていない演者用は分かりやすく大きめに目立つ色で貼ったりします。
シーンとしては多岐にわたりますが、
先程と関連性があるのですが、照明さんは基本は演者が出演している場所に照明を当てますよね。そのバミリがあってその位置が決まっているとそこに照明を合わせます。進行スタッフが位置決めし、その場所にバミリを行う。照明さんはそこに照明を当てます。
大きな前提があるのですが、照明は用意に動かせないということです。照明さんはあらかじめ天井にあるバトンに仕込みます。仕込む時はどうするか。このバトンを降ろして、吊り込みやすい高さにしてから一つ一つ吊って、回路をつなぎこみます。そしてまたバトンを上げます。そして舞台の高さ分の介錯棒(かいしゃくぼう)を使って向きを調整します。とすると、その場所にちゃんと演者が来てくれないと困るわけですね。
では自由に動きたい時、動いている時に照明を当てたいはどうするの?と聞かれればその時はピンスポットを使います。ピンは人が後ろについて位置を自由に変えることができます。もちろんこれは昔からある舞台の考え方なので、今の機材を使えばある程度自由度があるかもしれませんが、しばらくはこのベースの考え方は変わらないでしょう。
まとめますと、あらかじめ位置を決めたい照明さんのためにシュート(明かり合わせ)をする前にバミるという目的もあります。
極論もとの位置に戻さない、かつ照明の変化もなければ
バミらなくても構わなかったりします。たまにバミろうとすると「そここの後動きないからバミらなくてもいいよ」とか言われたりします。なんて思ってたりすると、急遽照明調整でバトンを下ろすのでこの演台動かします、なんて言われて、「まだバミってないのでちょっと待ってください」ってなることもあります。
横道にそれましたが、だいたいのイベントは複数のプログラムがあり、その分複数のシーンが存在します。リハーサルの時に設置したものがそのままというということはあまりないので、設置したものを一度動かします。なので設置したものはだいたいバミることが多いです。
これはちょっとレアケースですね。ダンス系のイベントなんかを行う時はこれが必要になります。ダンスを複数の人間によるフォーメーションで行う場合は、間隔の目安が分かるように「ピッチ(間隔)」と呼ばれるバミリを行います。大体の場合、900ピッチ(900mm間隔)で舞台の前方にバミります。ダンスレッスン時に使っている間隔と合わせたいということだと思いますが、きっと他の間隔の場合もあるのでしょうね。もっと細かいことをいいますと、ダンスのような動きの激しいプログラムの場合は、剥がれないように、つまづかないように、上からリノテープなどで保護します。
厳密に言うとバミリと表現しないかもしれませんが、舞台に貼る目印ということで合わせて紹介させていただきました。
舞台の真ん中をバミリで表します。舞台が広いとパッと見てどこが真ん中か分からなくなります。その際に分かりやすくバミリで「T」時のバミリを行います。ポータブルステージなどを使用すると継ぎ目などで分かるのですが、パンチカーペットで覆ってしまうとその継ぎ目が見えなくなってしまいます。そのためスタッフ、演者ともに間違いがないようにセンターのバミリを行います。
基本は左右中央ですが、場合によっては前後の中央を指し示す時に十字にバミリを行ったりもします。
ちなみにバミリを行う時に真っ先に行うのがこのセンターバミリです。自分のパートだけではなく周りの方にも役立つものなので、できるだけ真っ先に行いましょう。
今までは演出進行に役に立つものという役割でしたが、これは違います。安全を管理する上で危ない箇所への注意喚起をする時にバミリが使われます。具体的には「舞台の端」、「階段の縁」を囲うようにバミります。
これらの場所は暗いと境界線が見えなくなります。踏み外して演者やスタッフが怪我をしてしまうといけないので、端っこをテープで縁取って目立たせます。余談ですが、これが現場でしてあると進行ディレクターではなく舞台進行さんやちゃんとした舞台監督さんがいる現場だなと感じます。企業イベントの進行ディレクターは危険を伴う高さの舞台を使ったり、やたら暗転をするようなステージをしない場合が多いので、これ自体知らない方も多いです。
バミリ芸の一つですが、演者へのメッセージをテープで表現します。ある時はテープの面にマジックなどで名前を書き込んだり、テープで矢印で表現したり、テープで文字を書いたりします。これをしている現場に入ると気の利いたディレクターさんがいるなと思ったりします。
また例外ですが、運営でも誘導目的でバミリを行います。最近ブースの誘導でよく見ますが、テープで足元に並び列の枠を作ったりします。ポールなどを使用すると危ないような混雑した現場の時によく見かけます。昔はそうでもなかったのですが、最近はお客さんも見慣れたようで声をかけずとも足場を見て枠に沿っていつの間にか並んでくれていたりもします。
バミるについてご理解頂けましたでしょうか。
バミり方自体も、どれぐらいの大きさで、どんなテープを使って、いつ、誰が、どのように貼るか、なども解説したいところですが、それはまた別の機会で。それではまた~
バミるとは
バミるの語源は「場を見る」という言葉から来ていると言われています。いつからカタカナで書かれるようになったかは不明ですが、イベント業界、舞台業界、テレビ業界ではこの画像にあるようなテープで示した目印のことをバミリと呼びます。バミリは名詞です。この印をつける作業のことを動詞っぽく「る」をつけてバミると言います。
舞台進行に少しでも関わったことがあればご存知の割と有名な専門用語です。このバミリにはいろんな用途があります。これからそのあたりも解説したいと思います。
バミリの目的とは
先程舞台進行とご紹介しましたが、バミリが使われる場所は主にステージです。ステージ以外は例外と思っても差し支えありません。ちなみにステージ以外で大型の設置物の配置を示す場合は「墨出し(すみだし)」呼んだりします。墨出しについてはまた別の機会でご紹介するとして、今回はバミリなので本題に戻ります。
バミリにはいくつかの意味があるのですが、誰が何のために使っているかその目的を箇条書きでまとめてみたいと思います。
- 位置を固定したい
- 照明のため立ち位置を決めたい
- 転換の際に位置を同じ場所に復帰したい
- 間隔を知りたい
- 中央を決めたい
- 注意させたい
- 誘導したい
1.位置を固定したい
純粋に位置の目印としての機能です。人でも物でもです。舞台では位置に意味があります。以前記事でまとめました上手、下手もそうですね。それとセンターはやはり特別な意味があります。舞台は広いのでそれ以外にもさらに細分化されて位置が定められています。その位置が毎回違うと気持ち悪いのでその位置に人や物を適切に配置するためにバミリを使用します。
✕マークやTマーク、-などが多いですかね。分かりやすければどちらでも良いと思います。スタッフ用は目立たないように小さく目立たない色で、慣れていない演者用は分かりやすく大きめに目立つ色で貼ったりします。
シーンとしては多岐にわたりますが、
- 表彰式の立ち位置
- テープカットセレモニーや鏡開きの立ち位置
- 講演会の演台の位置
- バンドのVo、Gt、Ba、Drなどの位置
- マイクスタンドの位置
- ダンスのフォーメーションのスタート位置 などなど
演者やスタッフが間違えないようにバミリを使用します。まぁ当たり前ですね。細かいですが、暗転中に位置につく(板付き)場合は、暗いところでも光る蓄光テープなどを使用する場合もあります。
2.照明のため立ち位置を決めたい
先程と関連性があるのですが、照明さんは基本は演者が出演している場所に照明を当てますよね。そのバミリがあってその位置が決まっているとそこに照明を合わせます。進行スタッフが位置決めし、その場所にバミリを行う。照明さんはそこに照明を当てます。
大きな前提があるのですが、照明は用意に動かせないということです。照明さんはあらかじめ天井にあるバトンに仕込みます。仕込む時はどうするか。このバトンを降ろして、吊り込みやすい高さにしてから一つ一つ吊って、回路をつなぎこみます。そしてまたバトンを上げます。そして舞台の高さ分の介錯棒(かいしゃくぼう)を使って向きを調整します。とすると、その場所にちゃんと演者が来てくれないと困るわけですね。
では自由に動きたい時、動いている時に照明を当てたいはどうするの?と聞かれればその時はピンスポットを使います。ピンは人が後ろについて位置を自由に変えることができます。もちろんこれは昔からある舞台の考え方なので、今の機材を使えばある程度自由度があるかもしれませんが、しばらくはこのベースの考え方は変わらないでしょう。
まとめますと、あらかじめ位置を決めたい照明さんのためにシュート(明かり合わせ)をする前にバミるという目的もあります。
3.転換の際に位置を同じ場所に復帰したい
少し表現が難しいでしょうか。転換というのは舞台の配置を変えることですね。復帰というのは元に位置に戻すということです。一番多いのがリハーサルで配置したものを一旦バラして、その後また本番時に元の位置に戻したい時にバミリを使います。極論もとの位置に戻さない、かつ照明の変化もなければ
バミらなくても構わなかったりします。たまにバミろうとすると「そここの後動きないからバミらなくてもいいよ」とか言われたりします。なんて思ってたりすると、急遽照明調整でバトンを下ろすのでこの演台動かします、なんて言われて、「まだバミってないのでちょっと待ってください」ってなることもあります。
横道にそれましたが、だいたいのイベントは複数のプログラムがあり、その分複数のシーンが存在します。リハーサルの時に設置したものがそのままというということはあまりないので、設置したものを一度動かします。なので設置したものはだいたいバミることが多いです。
4.間隔を知りたい
これはちょっとレアケースですね。ダンス系のイベントなんかを行う時はこれが必要になります。ダンスを複数の人間によるフォーメーションで行う場合は、間隔の目安が分かるように「ピッチ(間隔)」と呼ばれるバミリを行います。大体の場合、900ピッチ(900mm間隔)で舞台の前方にバミります。ダンスレッスン時に使っている間隔と合わせたいということだと思いますが、きっと他の間隔の場合もあるのでしょうね。もっと細かいことをいいますと、ダンスのような動きの激しいプログラムの場合は、剥がれないように、つまづかないように、上からリノテープなどで保護します。
厳密に言うとバミリと表現しないかもしれませんが、舞台に貼る目印ということで合わせて紹介させていただきました。
5.中央を決めたい
舞台の真ん中をバミリで表します。舞台が広いとパッと見てどこが真ん中か分からなくなります。その際に分かりやすくバミリで「T」時のバミリを行います。ポータブルステージなどを使用すると継ぎ目などで分かるのですが、パンチカーペットで覆ってしまうとその継ぎ目が見えなくなってしまいます。そのためスタッフ、演者ともに間違いがないようにセンターのバミリを行います。
基本は左右中央ですが、場合によっては前後の中央を指し示す時に十字にバミリを行ったりもします。
ちなみにバミリを行う時に真っ先に行うのがこのセンターバミリです。自分のパートだけではなく周りの方にも役立つものなので、できるだけ真っ先に行いましょう。
6.注意させたい
今までは演出進行に役に立つものという役割でしたが、これは違います。安全を管理する上で危ない箇所への注意喚起をする時にバミリが使われます。具体的には「舞台の端」、「階段の縁」を囲うようにバミります。
これらの場所は暗いと境界線が見えなくなります。踏み外して演者やスタッフが怪我をしてしまうといけないので、端っこをテープで縁取って目立たせます。余談ですが、これが現場でしてあると進行ディレクターではなく舞台進行さんやちゃんとした舞台監督さんがいる現場だなと感じます。企業イベントの進行ディレクターは危険を伴う高さの舞台を使ったり、やたら暗転をするようなステージをしない場合が多いので、これ自体知らない方も多いです。
7.誘導したい
バミリ芸の一つですが、演者へのメッセージをテープで表現します。ある時はテープの面にマジックなどで名前を書き込んだり、テープで矢印で表現したり、テープで文字を書いたりします。これをしている現場に入ると気の利いたディレクターさんがいるなと思ったりします。
また例外ですが、運営でも誘導目的でバミリを行います。最近ブースの誘導でよく見ますが、テープで足元に並び列の枠を作ったりします。ポールなどを使用すると危ないような混雑した現場の時によく見かけます。昔はそうでもなかったのですが、最近はお客さんも見慣れたようで声をかけずとも足場を見て枠に沿っていつの間にか並んでくれていたりもします。
バミるについてご理解頂けましたでしょうか。
バミり方自体も、どれぐらいの大きさで、どんなテープを使って、いつ、誰が、どのように貼るか、なども解説したいところですが、それはまた別の機会で。それではまた~
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