東京オリンピックのボランティア項目の1~10まである活動内容について解説 第四弾です。今回は「5.アテンド」についてです。

どのボランティアに参加しようか悩んでいる人は是非この参考にしてみて下さい。この記事を書いている時点(2018年9月~10月)ではまだ情報があまり開示されていませんので、後から見たら的はずれな考察もあるかもしれませんが、それはどうぞご容赦下さい。
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東京オリンピックボランティアとは

途中から読みはじめた人のために繰り返しになりますが、そもそも一体どんなことをするのでしょうか?まずはその特設サイトをご紹介します。こちらですね → 東京2020大会ボランティア特設サイト 活動分野・内容 
大会ボランティアは、競技が行われる会場や選手の生活ベースとなる選手村、その他大会関連施設等で、観客サービスや競技運営のサポート、メディアのサポート等、大会運営に直接携わる活動をします。
単一のポジションではなく、いろんなジャンルがあるよ、ということですね。
そしてそのジャンルとは(リンクは解説記事)
  1. 指定なし
  2. 案内
  3. 競技
  4. 移動サポート(運転等)
  5. アテンド
  6. 運営サポート
  7. ヘルスケア
  8. テクノロジー
  9. メディア
  10. 式典
の10種類。ひとつ指定なしなので実質9種類ですね。今回は「5.アテンド」ついて見ていきましょう!


「5.アテンド」

海外要人等が快適に日本で生活できるよう、空港や会場等様々な場所で接遇を行います。また、選手が快適な競技生活を送ることができるよう、外国語でのコミュニケーションサポート等を行います。これら以外にも競技を終えた選手がメディアからインタビューを受ける際に、外国語でのコミュニケーションサポート等も行います。

この項目はちょっと分かりづらいのですが、いわゆるこれですね アテンド通訳
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そもそもアテンドという言葉自体があまり一般的ではないような気がします。イベントでもこの言葉はよく登場しますが、日本語で言うところの接遇ですね。この文章中にもありますが、滞在中に快適に過ごすことのできるようサポートすることです。具体的には不慣れな場所に着いて不安な方をお出迎えする、飲み物を用意する、食事を用意する、スケジュールを説明する、場所を案内する、交通手段を手配する、会いたい人を探してミートさせる、知りたいことを代わりに調べる、会食場所を予約する、宿泊手続きをする、お見送りする、などですね。

まず登場するワードですが、「海外要人等」とあります。これってどの程度の方なんでしょうか?さすがに警護を要する国賓クラスではないと思いますが、オリンピック関係者にとって非常に重要な方というのは想像できます。また海外と書いてあるので当然日本語ではなく英語で対応が求められるということですね。英語がマストという表現はありませんが、事実上マストでないと成り立たないポジションですね。

続いて「日本で生活できるように」とあります。業務サポートという意味ではなく、生活面のサポートというわけですね。ということは、スポーツ関係に特化した専門用語が必要ではなく日常会話レベルでもなんとかなるということでしょうか。かなり不安ですが。。

さらに続いて、「選手が快適な競技生活を」とあります。選手が対象になる場合もあるということですね。その後の快適な競技生活という言葉がすごく気になります。どういうことなんでしょうかこれ。競技生活というのが練習場や競技に適したトレーニング施設を探すこと、またその施設での通訳対応、そして体調管理のためやや特殊な飲食物を探すとかでしょうか。ちょっとマニアックなオーダーが来そうな気がします。

そしてそして、「競技を終えた選手がメディアからインタビューを受ける際に・・・」ってありますが、これはアテンドではなく、完全に通訳さんの仕事ではないでしょうか。選手やインタビュアーさんからは競技に精通していなければ分からないような話や専門用語がたくさん出てくる気がします。となると、通訳でももともとこの競技に詳しいか、すごく勉強をともなうので、大変な部類に入るような気がします。


まるで気の利く秘書や一流ホテルのコンシェルジュのような存在

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これまでのジャンルではボランティアは受け皿的な対応ばかりでしたが、ここではある程度行動を先読みする秘書的な能力を求められているような気がします。イベントでもたまにこのようなディレクターを求められたりすることがありますが、正直フリーランスの人間でこのような業務ができる方は少ない気がします。イベント業では制作会社に所属して5年以上の30代スタッフや制作パートも経験ある熟練ディレクターぐらいでしょうか。それでも海外要人を相手するというのは不安があります。


職業通訳レベルの能力も必要

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このレベルの通訳となると正直旅行で困らない日常会話レベルの英語では太刀打ち出来ない気がします。本職の通訳さんでも対象となる人や競技について1週間以上は勉強したいところではないでしょうか。インタビューレベルは同通ができるクラスの通訳さんをお願いしたいぐらいかもしれません。


「5.アテンド」の活動内容の難易度

案内をしたり、予約したり、会話で困っている人のサポートをしたりと、一つ一つの業務は難しくないかもしれませんが、いつどのタイミングでそれを対応するか分からない、正解がない(人によって異なる)という点ではイベント業と似ている部分があるかもしれません。柔軟性が求められるオーダーメイドでパーソナルな対応業務です。研修で補うにも限界がある業務な気がします。

またそれを英語でというのがさらにハードルが上がります。通訳会社に所属するアテンド通訳業務が得意な人材、ホテルのコンシェルジュ経験者、熟練のCAぐらいしか対応できる人がいないのではないでしょうか。

あくまで自分の見解ではありますが、適任を探すという点、育成しづらいという点において一番難しいジャンルなのではないかと思います。ここは東京オリンピックが主張した「おもてなし」を表現する一番のポイントですが、これを無償で8000人~12000人探すのはかなり難しいのではないでしょうか。。



「5.アテンド」について解説してみましたが、いかがでしょうか?では今回はこのへんで。次は「6.運営サポート」について解説したいと思います。