あきらかに詐欺だろこれ、ってイベントの片棒を担がれそうになったことが昔あったんです。悪いやつがいるもんですね。こんなことそうそうあるもんではないのですが、不意に思い出したので記事として残しておこうかと。
今から約10年ぐらい前だったのですが、とある知り合いの会社から紹介され、ファッションショーやその関連イベントの制作ができる人を探しているというのでまずはその人と電話で話しました。自分はファッションショーの演出はできないが、何度かファッションショーの仕事に関わったことがあるので少しでもお役に立てればという気持ちで望みました。独立したばかりだったのでちょっと警戒心が薄かった時期ですね。
電話をすると、明日会場ロケハンを兼ねた打合せがあるのでさっそく来て欲しいとのお話が。「ん?話がやたら早くない?」電話で話をしていても自分がどんな仕事をしてきたかなどには興味を示さなかったのにも違和感を感じました。「場所はどこですか?」と聞くと、「(某有名)ホテルの宴会場と伝統舞台の会場を押さえているので、そこのロビーでお願いします。」とのこと。某有名ホテルを使うのであれば安心かもしれない。あと会場を押えているのであれば大丈夫かもと思い、ノコノコ打合せに行きました。
打合せに行くと、50代前後の男性が2名。ファッション関係者!?という印象を少し持ちましたが、仕事には色々なポジションがあるのでこの時点ではあまり気にしていませんでした。ご挨拶をすると、そのファッション団体の名刺を出してきました。直感的に「ペラい。ダサい。」と感じました。
内容は海外の超有名ファッションショーを日本に持ち込んで実施するという企画。いわゆるファッションショーだけではなく、日本で有望なモデルを育ててその海外のショーに出演させるという育成機関的な役割を持つプロジェクトとのこと。男性が出した名刺はその運営を行う団体とのことでまだ立ち上がったばかりと言っていました。名刺がペラいのも少しだけ理解ができた気がします。その時は自分もペラい簡単な名刺しかなかったので。。
その時聞いたイベントは全部で3つ。まずは能楽堂でエキシビジョン的なファッションショー、その後宴会場で関係者パーティー、後日ホールでお披露目ファッションショーとのこと。(そもそも詐欺イベントなのでもしかしたら違うかもしれません)。自分がショーの演出ではないのでと言ったら、それはまた専門家がいて、ウォーキングなどの指導を行うそうで、自分は制作全般と会場セッティング、パーティーの進行演出をお願いしたいと言われました。最初のイベントは2ヶ月後。「2ヶ月後!?」じゃ急がないといけないですね、招待状はどうしますか?なんて話をしていると、そろそろ時間なのでと言われた。
少しすると伝統舞台の会場へ移動。そこにモデル候補がぞろぞろと集まってくる。THEモデルというより少し見てくれのいい感じの学生っぽい人が20人ぐらいいたのでしょうか。全員揃うと、その海外のファッションショーの有名(?)ディレクターが登場しました。白髪で60歳ぐらいの外国人です。流暢とまでは言えないのですがたしか日本語で話していたと思います。学生たちはその話を真剣に聞いていました。それはそれっぽい場でしたが、初対面の自分がこの場に同席するのって変じゃない?と思ったはよく覚えています。
最後はみんなでモデルデビュー目指して頑張りましょう的な感じでその場が解散になりました。「で?」自分も解散になりそうだったので、いやいやいや、これじゃ実務に入れないでしょうと、最初に話した男性に具体的なことを聞くとかなり曖昧な答え。
自分「宴会場が会場ですが、控室で諸室はどこを押えていますか?」
→男性「押さえないといけないよね。」
自分「会場押さえのスケジュールは?何時からですか?」
→男性「そのへんはこれから」
自分「招待状はいつ発送しますか?参加可否の回答期限はいつですか?」
→男性「これから発送しないといけないですね。」
自分「受付はどこに設置しますか?」
→男性「それはどこでも大丈夫。」
自分「参加人数はどれぐらいの予定ですか?」
→男性「2000人ぐらいかな。」
自分「じゃあ、会場のレイアウトは立食ですよね?」
→男性「どちらでもいいと思ってるんだけど」
「!!!!?」
最初はそんなこともあるかな程度で聞いていたのですが、そこでさすがにおかしいと気づきました。いくらなんでもおかしいでしょう。日本に2000名着席(正餐スタイル)でできるホテルなんてないでしょうよ。どっちでもいいわけあるかい!ということで完全にクロと確信しました。遅いですよね。そうですね。振り返ると自分でもそう思います。
そのやりとりをした後にこれは時間の無駄だなと思い、適当に切り上げて、その後もままフェードアウトしました。
逆に確信が持てなくなった微妙な要素
そして、さらに数年後、そのホテルでお仕事をする機会がありまして、ホテルの営業担当さんに「昔こんなことがありまして」という話をしたところ、「その人連絡取れますか?」と聞かれました。どうやら、会場費を払わずバックレたそうです。ホテルさんも困っているようでした。ホテルさんも気の毒に。。
そしてそして、この記事を書くにあたり数年ぶりに調べてみたところ、また同じ人間が詐欺をやっているみたいですね。ヘアメイク、ウィッグ、モデル投資、不動産投資といろいろと手口を変えていますが、最新は2年前のブログ記事でした。あれでバレないとでも思っているのでしょうか。
このような詐欺イベントに巻き込まれそうになったら。当然、即撤退ですね。犯罪の片棒を担いではいけません。お金もきっと支払われませんから、立て替え処理などは絶対にやめましょう!関わるだけ時間の無駄です。
実はその後も何度か実施しない怪しいイベントの話を聞くことがあります。かなりの警戒心をもって取り組むので当然実施まで関わっていませんが、変な人っていっぱいいるんですね。皆さんもはじめてのお仕事の時は気をつけましょう。
ということで、あまり参考にならないかもしれませんが、詐欺に関わった体験談をご紹介させていただきました!それではまた~
どんな詐欺イベントだったか
今から約10年ぐらい前だったのですが、とある知り合いの会社から紹介され、ファッションショーやその関連イベントの制作ができる人を探しているというのでまずはその人と電話で話しました。自分はファッションショーの演出はできないが、何度かファッションショーの仕事に関わったことがあるので少しでもお役に立てればという気持ちで望みました。独立したばかりだったのでちょっと警戒心が薄かった時期ですね。
電話をすると、明日会場ロケハンを兼ねた打合せがあるのでさっそく来て欲しいとのお話が。「ん?話がやたら早くない?」電話で話をしていても自分がどんな仕事をしてきたかなどには興味を示さなかったのにも違和感を感じました。「場所はどこですか?」と聞くと、「(某有名)ホテルの宴会場と伝統舞台の会場を押さえているので、そこのロビーでお願いします。」とのこと。某有名ホテルを使うのであれば安心かもしれない。あと会場を押えているのであれば大丈夫かもと思い、ノコノコ打合せに行きました。
打合せに行くと、50代前後の男性が2名。ファッション関係者!?という印象を少し持ちましたが、仕事には色々なポジションがあるのでこの時点ではあまり気にしていませんでした。ご挨拶をすると、そのファッション団体の名刺を出してきました。直感的に「ペラい。ダサい。」と感じました。
内容は海外の超有名ファッションショーを日本に持ち込んで実施するという企画。いわゆるファッションショーだけではなく、日本で有望なモデルを育ててその海外のショーに出演させるという育成機関的な役割を持つプロジェクトとのこと。男性が出した名刺はその運営を行う団体とのことでまだ立ち上がったばかりと言っていました。名刺がペラいのも少しだけ理解ができた気がします。その時は自分もペラい簡単な名刺しかなかったので。。
その時聞いたイベントは全部で3つ。まずは能楽堂でエキシビジョン的なファッションショー、その後宴会場で関係者パーティー、後日ホールでお披露目ファッションショーとのこと。(そもそも詐欺イベントなのでもしかしたら違うかもしれません)。自分がショーの演出ではないのでと言ったら、それはまた専門家がいて、ウォーキングなどの指導を行うそうで、自分は制作全般と会場セッティング、パーティーの進行演出をお願いしたいと言われました。最初のイベントは2ヶ月後。「2ヶ月後!?」じゃ急がないといけないですね、招待状はどうしますか?なんて話をしていると、そろそろ時間なのでと言われた。
少しすると伝統舞台の会場へ移動。そこにモデル候補がぞろぞろと集まってくる。THEモデルというより少し見てくれのいい感じの学生っぽい人が20人ぐらいいたのでしょうか。全員揃うと、その海外のファッションショーの有名(?)ディレクターが登場しました。白髪で60歳ぐらいの外国人です。流暢とまでは言えないのですがたしか日本語で話していたと思います。学生たちはその話を真剣に聞いていました。それはそれっぽい場でしたが、初対面の自分がこの場に同席するのって変じゃない?と思ったはよく覚えています。
これは詐欺だ!と、どこで気づいたか
最後はみんなでモデルデビュー目指して頑張りましょう的な感じでその場が解散になりました。「で?」自分も解散になりそうだったので、いやいやいや、これじゃ実務に入れないでしょうと、最初に話した男性に具体的なことを聞くとかなり曖昧な答え。
自分「宴会場が会場ですが、控室で諸室はどこを押えていますか?」
→男性「押さえないといけないよね。」
自分「会場押さえのスケジュールは?何時からですか?」
→男性「そのへんはこれから」
自分「招待状はいつ発送しますか?参加可否の回答期限はいつですか?」
→男性「これから発送しないといけないですね。」
自分「受付はどこに設置しますか?」
→男性「それはどこでも大丈夫。」
自分「参加人数はどれぐらいの予定ですか?」
→男性「2000人ぐらいかな。」
自分「じゃあ、会場のレイアウトは立食ですよね?」
→男性「どちらでもいいと思ってるんだけど」
「!!!!?」
最初はそんなこともあるかな程度で聞いていたのですが、そこでさすがにおかしいと気づきました。いくらなんでもおかしいでしょう。日本に2000名着席(正餐スタイル)でできるホテルなんてないでしょうよ。どっちでもいいわけあるかい!ということで完全にクロと確信しました。遅いですよね。そうですね。振り返ると自分でもそう思います。
そのやりとりをした後にこれは時間の無駄だなと思い、適当に切り上げて、その後もままフェードアウトしました。
怪しいイベントと感じたポイント
先程の話の中でも出てきていますが、箇条書きで整理してみましょう。ひとつひとつはあり得る話なんですが、これだけ重なると合わせ技で三倍満クラスになるでしょう。- 海外のイベント(関連)
- 日本初
- 分不相応に大きな話
- スケジュールが異常にタイト
- 相手に興味を示さない
- 名刺がペラい、ダサい
- 会社ではなく団体、協会
- 資料が稚拙
- 参加者が一般応募でかつモデルっぽくない
- 会場担当などが出てこない
- 打合せ場所が宴会場ロビー(ラウンジとかではなく)
- 担当者から業界人っぽさが感じられない
- 外国人のなんか偉そうな人
- 招待状(先に作るべき製作物)を急がない、こだわらない
- 重要な詳細を聞いてもまともな回答ができない
- 会場設定が雑
逆に確信が持てなくなった微妙な要素
- 格式の高い会場、ホテル(会場費が高い=安心できる)
- 伝統舞台でショー(コンセプト的にはあり得る)
- 一般参加者がたくさんいる
- 自分を騙してなんかメリットある?
というところです。まさに最後に書いた部分はいまだに謎です。後に騙したかった対象は自分ではなく一般参加者か?と気づいたのでちょっとスッキリしましたが。
その後、そのあった人間の名前や団体名、イベント名を「詐欺」というワードをアンド検索に入れて調べてみると出るわ出るわ。「やっぱり」でした。その男性は今はその名を名乗っていますが、過去には似たような別の名前でも活動していて、偽名を使いながら詐欺を繰り返していました。団体名で調べると一応赤坂の事務所は出てくるのですが、電話は繋がりませんでした。これも似たような名前で場所も点々としているようです。
手口としては、もっともらしいイベントの会場設定をして、参加者を集め、箔をつけて、参加者たちから参加費や渡航費などをだまし取るっぽいですね。自分自身が騙されたというより、詐欺の片棒を担がされるところだったというお話でした。実際になにかをやる前でよかったです。騙すならもっと大手のイベント会社さんに声をかけるべきじゃないでしょうか。
どうやって知ったかといいますと、当時はtwitterなどもなかったので業界関係者の口コミですね。後日知り合いのファッションショーの振り付けの方になんか変なイベントがあって、なんて話をしようと思っていたら、先に「変なイベントに巻き込まれて」と言われて、もしかしてあのイベント?と聞いたらビンゴでした。知人が関わってしまったんですね。現場だけ進行で入ってしまったようです。
制作だといろいろとコミュニケーションを取る機会があるので判別できるポイントがたくさんありますが、入り方によってはもしかしたら分かりづらいかもしれません。イベント自体はスタッフも素人だらけで、会場はガラガラだったようです。
詐欺イベントを調べてみたら
その後、そのあった人間の名前や団体名、イベント名を「詐欺」というワードをアンド検索に入れて調べてみると出るわ出るわ。「やっぱり」でした。その男性は今はその名を名乗っていますが、過去には似たような別の名前でも活動していて、偽名を使いながら詐欺を繰り返していました。団体名で調べると一応赤坂の事務所は出てくるのですが、電話は繋がりませんでした。これも似たような名前で場所も点々としているようです。
手口としては、もっともらしいイベントの会場設定をして、参加者を集め、箔をつけて、参加者たちから参加費や渡航費などをだまし取るっぽいですね。自分自身が騙されたというより、詐欺の片棒を担がされるところだったというお話でした。実際になにかをやる前でよかったです。騙すならもっと大手のイベント会社さんに声をかけるべきじゃないでしょうか。
後日談 ~詐欺イベントその後~
そのイベント当然直前でバックレるんだろうなと思っていたらどうやらショーだけは実施したようです。一応やっただけたいしたもんだと思いました。やるだけやってバックレたということかと。どうやって知ったかといいますと、当時はtwitterなどもなかったので業界関係者の口コミですね。後日知り合いのファッションショーの振り付けの方になんか変なイベントがあって、なんて話をしようと思っていたら、先に「変なイベントに巻き込まれて」と言われて、もしかしてあのイベント?と聞いたらビンゴでした。知人が関わってしまったんですね。現場だけ進行で入ってしまったようです。
制作だといろいろとコミュニケーションを取る機会があるので判別できるポイントがたくさんありますが、入り方によってはもしかしたら分かりづらいかもしれません。イベント自体はスタッフも素人だらけで、会場はガラガラだったようです。
そして、さらに数年後、そのホテルでお仕事をする機会がありまして、ホテルの営業担当さんに「昔こんなことがありまして」という話をしたところ、「その人連絡取れますか?」と聞かれました。どうやら、会場費を払わずバックレたそうです。ホテルさんも困っているようでした。ホテルさんも気の毒に。。
そしてそして、この記事を書くにあたり数年ぶりに調べてみたところ、また同じ人間が詐欺をやっているみたいですね。ヘアメイク、ウィッグ、モデル投資、不動産投資といろいろと手口を変えていますが、最新は2年前のブログ記事でした。あれでバレないとでも思っているのでしょうか。
詐欺まがいのイベントに巻き込まれそうになったら
イベントはメディア向けのものなどは初めて行う、前例のないものが好まれる傾向があります。となると、このような詐欺イベントに出会う可能性も高くなりますよね。またイベント業はあるときだけお仕事をする、水商売的、あるいは季節労働的な要素があります。非日常感を演出して人を騙すのにうってつけなのかもしれません。このような詐欺イベントに巻き込まれそうになったら。当然、即撤退ですね。犯罪の片棒を担いではいけません。お金もきっと支払われませんから、立て替え処理などは絶対にやめましょう!関わるだけ時間の無駄です。
実はその後も何度か実施しない怪しいイベントの話を聞くことがあります。かなりの警戒心をもって取り組むので当然実施まで関わっていませんが、変な人っていっぱいいるんですね。皆さんもはじめてのお仕事の時は気をつけましょう。
ということで、あまり参考にならないかもしれませんが、詐欺に関わった体験談をご紹介させていただきました!それではまた~
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